でも、これだけの大国になった今、それでは済まないでしょう。今後、集団的自衛権を認めれば、日米安保が強化され、日本の領土をより安全に守ることができるようになるはず。

――憲法を改正しなくても、集団的自衛権は現段階でも解釈次第で行使することができるというわけですね。

 できます。ただし、念のため制約を持たせるとすれば、同盟国からの要請だけで海外派兵を決めるのではなく、国連議決とさらに事前に国内で国会決議も行うようにしたほうがいいと思います。

いっそ9条をすっきり改正せよ
そのほうが周辺国の理解を得られる

――ただ、9条を改正したら、中国や韓国などの周辺国から強い反発が起きないでしょうか。

 それは大いなる誤解。現在、戦争も軍隊も否定しているはずの日本が自衛隊を持ち、イラクやアフガンに海外派兵しています。彼らはあくまで後方支援という名目で現地に赴きましたが、イスラム圏の国々から見れば、戦争と一体の敵対的行為と映った。先般、アルジェリアで起きた痛ましい人質事件は、その恨みが基になっています。日本が自衛隊の運営方針をはっきりさせないから、世界の国々から疑念を持たれるわけで、これでは本末転倒です。

 こんなことを続けるより、いっそ憲法をすっきり改正して、(1)「侵略戦争はしない」、(2)「ただし独立主権国家である以上、侵略を受けたら自衛戦争はする」、(3)「そのために自衛軍を持つ」、(4)「国際国家として国際貢献もするが、それには国連決議の他に事前の国会決議も必要とする」と明記すればいいのではないか。そうすれば、日本を狙っている国に対しては牽制になるし、日本を恐れている国に対しては安心感を与えられます。あらゆる意味において、世界は納得するのです。

 明治憲法では陸海軍の統帥権が独立していたので、天皇の名前さえ出せば軍隊はどこへでも行けた。だから、陸軍が満州(現中国東北部)で暴走して、勝手に戦争を起こすことができた。アジアの国々にとっては、9条が改正されれば、また同じことが起きるのではないかという不安もあるのでしょう。しかし、あんなことは現憲法下では絶対に起こり得ません。