「血圧が高いなら塩分を控えて」よく聞く言葉ですが、なぜ塩分がNGなのかご存じですか? しょっぱいものを食べると喉が渇くのは、体が「濃すぎる血」を薄めようと水分を溜め込むSOSサイン。結果、血管は増えた血液量でパンパンになり悲鳴を上げています。本記事では高血圧のメカニズムを専門医が大解剖。理由を知って「減塩」へのモチベーションを劇的に変えましょう!

【脳の専門医が教える】「そりゃ血圧も上がるわけだ…」ラーメンの後に異常に喉が渇く恐ろしい理由Photo: Adobe Stock

なぜ「塩分の摂りすぎ」はNGなのか?
脳の専門医が語る高血圧のメカニズム

「血圧が高めだから、塩分を控えよう」。健康診断などでよく耳にするアドバイスですが、なぜ塩分が血圧を上げるのか、そのメカニズムを正確に説明できる人は少ないかもしれません。

実は、この理由を論理的に理解することこそが、食生活を改善し、健康寿命を延ばすための強いモチベーションとなります。

身体の防衛本能が引き起こす「血液量の増加」

私たちの身体には、生命を維持するための精巧なシステムが備わっていますが、塩分の過剰摂取は、そのシステムに異常な負荷をかけてしまいます。

塩分の摂りすぎが、なぜこれほどまでに高血圧の引き金となるのか。それには、身体の精巧なシステムが関わる、2つの深刻な理由があります。
【深刻な理由❶】血液量がパンパンに膨れ上がる
第1の理由は、『血液量の強制的な増加』です。
――『脳の専門医が教える 100歳までボケない脳』より

この「血液量の増加」を引き起こす根本的な要因こそが、塩分に含まれるナトリウムです。

「濃すぎる血」を薄めようとする身体のSOS

ナトリウム自体は決して悪者ではなく、私たちが生きるうえで欠かせない成分です。しかし、現代の食生活ではどうしても「量」が多すぎる傾向にあります。

ナトリウムは、神経伝達や筋肉の伸縮を助ける必須ミネラルであり、身体は『浸透圧』という仕組みで、血液の濃度を常に一定に保とうと必死に働いています(浸透圧とは、濃度のバランスを保とうとする力のこと)。しかし、塩分を摂りすぎると、血液中のナトリウム濃度が急上昇します。身体は『危険だ!』と判断し、この濃すぎる血を薄めようと、血管内に大量の水分を引き込みます
――『脳の専門医が教える 100歳までボケない脳』より

塩辛いラーメンのスープを飲んだり、スナック菓子を食べたりした後に異常に喉が渇くのは、まさにこの「血を薄めよう」とする身体からのSOSサインなのです。

血管というパイプが悲鳴を上げている

血管内に水分が大量に引き込まれると、私たちの体内では物理的な問題が発生します。

その結果、どうなると思いますか? 血管というパイプを流れる血液の量(体液量)がパンパンに増えてしまうのです。限られた太さの血管に大量の血液が流れ込めば、血管の壁にかかる圧力(プレッシャー)が高まるのは当然です。これが、高血圧の正体の1つです。
――『脳の専門医が教える 100歳までボケない脳』より

細いゴムホースに無理やり大量の水を流し込むと、ホースがパンパンに張って破れそうになる状態をイメージしてみてください。毎日の塩分過多は、あなたの血管に同じようなダメージを与え続けているのです。

この「血管がパンパンになる」というメカニズムを理解すれば、「減塩」が単なる味気ない我慢ではなく、大切な血管と脳を守るための積極的なリスク管理であると気づくはずです。あなた自身の健康のために、今日から毎日の塩分量を見直してみませんか?

※本稿は『脳の専門医が教える 100歳までボケない脳』(ダイヤモンド社)をもとに編集したものです。