暗号資産(仮想通貨)取引を追跡している調査員らは今年、イラン中央銀行が管理する二つのデジタルウォレットに結びついた、一連の不審な取引を発見した。調査員らが資金の流れをさかのぼったところ、そのウォレットの資金が、北朝鮮のハッカーが暗号資産交換業者(取引所)バイビットから盗んだ15億ドル(約2430億円)と関連していることが判明した。この資金はイランのウォレットに到達した後、複雑な取引の迷路をたどった。その行き先の一つが暗号資産取引所だった。同取引所は、イランが米国の広範な経済制裁を回避するために暗号資産を利用する上で重要な役割を果たすようになった。ブロックチェーン(分散型台帳)データによると、中国人エンジニアが約8年前に創業した暗号資産取引所コインエックスは、イランの暗号資産事業を世界とつなぐ役割を拡大してきた。ブロックチェーン分析会社TRMラボによれば、2019年以降、イランとの関連が特定できるウォレットがコインエックスを通じて38億4000万ドル超を移動させた。