「家に帰ったら勉強しよう」と思っていたのに、気づけばスマホを触って1日が終わってしまった……。こんな後悔は、誰もがあるはずです。「スマホ時間を減らすには、我慢ではなく環境を変えること」と話すのは、500万DLを突破し、中高生から社会人まで多くの「学習者」に愛用されるアプリ「集中」の開発者・戸田大介さん。我慢しなくても、自然とスマホを置けるようになる、具体的な「仕組みづくり」について話を聞きました。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

努力ゼロで勝手にスマホ依存がへっていく、超おトクな「設定」Photo: Adobe Stock

「見ない」と決意しても続かない

――スマホ時間を減らすために、最も大切なことは何でしょうか?

戸田大介(以下、戸田):スマホ時間を減らすうえで、「効果がある方法」と「そうでない方法」はかなりはっきりしています。

 例えば多くの人が、「夜はスマホを見ない」「1日3時間までにする」と決めたり、周囲に宣言したりしますよね。でも、その決意はまず長続きしません。

 理由は単純で、自分とSNSや動画アプリとの「距離」が何も変わっていないからです。

 スマホを手に取れば、すぐにアプリを開ける。SNSは無限にスクロールできる。動画は自動で流れ続ける。こんなにもスマホの誘惑が強い環境で、「我慢しよう」と意志の力だけで戦おうとするのは無謀です。

 仮に今日はうまくいっても、1週間後にはグダグダになってしまうのは当然のこと。それはその人が怠け者だからではなく、誰だってそうなってしまうものなんですよね。

 本当に効果があるのは、「我慢する」ことではなく「設定を変える」ことです。スマホの設定を変更して、見続けてしまわない環境を作るのが、現実的で効果も得られる方法です。

①アプリに時間制限をかける

――具体的には、どのように設定を変えるのが効果的ですか?

戸田:たとえば、インスタグラムを見すぎてしまう人なら、「インスタグラムを1日1時間まで」と利用時間の制限を設定することができます。

 制限時間を超えると、画面に「制限時間を超えました」と表示される仕組みです。

 もちろん、そのまま解除して見続けることも可能ですが、この「一度立ち止まらせる仕組み」が、とても重要です。

 SNSを見続けてしまう大きな理由の一つが、コンテンツに「終わり」がないことです。無限にスクロールできるので、やめるタイミングを失ってしまいます。アプリの設計上、「ここまで見たら終わり」という区切りがありません。

 だからこそ、強制的に一度画面が止まるだけでも、はっと我に返って離脱するきっかけが生まれます。この「立ち止まるきっかけ」があるだけで、人間の行動は大きく変わるのです。

②動画アプリの自動再生をオフにする

――他にも、おすすめの設定変更はありますか?

戸田:YouTubeやNetflixなどの動画アプリは、初期設定で「自動再生」がオンになっています。動画が終わると次の動画が勝手に始まるため、「ここでやめよう」と考える間がありません。

 自動再生をオフにすると、次の動画を見るために「自分でタップして動画を選ぶ」というステップが必要になります。

 たったそれだけのこと、と思うかもしれませんが、これで「惰性で見ている状態」から「自分の選ぶ状態」へと切り替わります。動画が終わるたびに、「ここでやめようかな」と考えるきっかけが生まれるのです。

 実際、自動再生をオフにしただけで、Netflixの利用時間が1日約21分減少したという調査データもあります。YouTubeなども含めれば、この設定を一つ変えるだけで、毎日のスマホ時間を大幅に削減できる可能性があります。

――なるほど、設定が違うだけで、ユーザーの行動が変わるというデータがあるのですね。

戸田:そうなんです。だから、勉強や仕事にもっと集中するためにスマホ時間を減らそうとするなら、まず変えるべきなのは自分の意志ではなく、「スマホの設定」なんです。

「頑張って見ないようにする」のではなく、頑張らなくても自然とやめられる環境を一つずつ作っていく。スマホ時間を減らすには、「我慢」ではなく、そうした「環境の設計」に尽きると思います。

(この記事は、『脱スマホ術──「何もせず1日が終わった」がなくなる』の著者戸田大介氏へのインタビューです)