米連邦準備制度理事会(FRB)のリサ・クック理事は、自身を解任しようとしたドナルド・トランプ大統領の試みを阻止する判断を連邦最高裁判所が29日に下したことで、勝者となった。しかし、最大の勝者はトランプ氏がFRB議長に選んだケビン・ウォーシュ氏と言えそうだ。ウォーシュ氏は5月の議長就任から2カ月目を迎えるが、前任者の任期終盤に重くのしかかっていた問題――異論の余地がある正当な理由に基づいて大統領はFRB理事を解任できるか――は、FRB側に有利な形で決着した。最高裁による今回の判断を受け、ウォーシュ氏はトランプ大統領から独立して政策運営を行う余地が広がった。トランプ氏はジェローム・パウエル前FRB議長に金利を引き下げるよう執拗(しつよう)に迫り、現在も利下げを支持している。議会が定めた解任制限が最高裁に再確認されたことで、ウォーシュ新議長自身の解任をちらつかせたり、理事を交代させると脅したりして彼に圧力をかけるトランプ大統領の力は大きな制約を受けることになる。