寡黙なFRB、住宅ローン金利の上昇招く可能性Photo:Tom Williams/gettyimages

 住宅ローン市場は、米連邦準備制度理事会(FRB)が発するあらゆる言葉に耳を傾けている。では、FRBの口数が大幅に少なくなった時、何が起きるのだろうか。

 FRB議長に就任したケビン・ウォーシュ氏は初の記者会見で、FRBが金利予想を示すのではなく、市場の方がFRBに対し、金利の先行きをどうみているか伝えてほしいとの考えを示した。FRBはウォーシュ氏の下で発表した最初の政策声明で、フォワードガイダンスを示さなかった。ウォーシュ氏は他のFRB当局者と共に金利予測を提示することを拒否した。また、当局者による四半期ごとの金利予測が将来の金利上昇見通しを示唆していることに関する記者団の質問に対しても、自身の見解を説明しなかった。

 ウォーシュ氏は記者団に対し、「金融市場がFRBの発言を反映して動いているだけだとすれば、われわれは最も重要な情報源を取り上げ、それに目をつぶっていることになる」と語った。

 だが、市場参加者の思うままの行動に任せた場合、トレーダーや投資家らの見解がそれぞれ異なれば、債券市場のボラティリティが高まる可能性がある。その結果、投資家は不確実性の高まりを理由に上乗せ金利を要求するため、金利は上昇するかもしれない。

 ピムコのエコノミスト、ティファニー・ワイルディング氏は先週のリポートで、「全般的に見れば、期待値が定着しにくくなるため、短期金利のボラティリティが高まり、どちらの方向にも政策を巡るサプライズが生じる確率が高まる」と指摘した。「FRBが安定したアンカー役と認識されなくなれば、資産クラス全般にわたってリスクプレミアムが上昇せざるを得なくなるかもしれない」

 投資家は金利が上昇すれば高い利回りが得られるため、それを気にしないかもしれない。しかし、借り手は高い金利を支払いたくないと思うだろう。金利のボラティリティに最も敏感な借り入れコストの一つは住宅ローンで、それは住宅ローン担保証券(MBS)の中に組み込まれている。