株式投資で資産を増やし続ける人たちは、「株の売買タイミング」をどう見極めているのでしょうか? 「株価チャートのクイズに答えるだけで株のセンスが身につく」―そんなユニークなスタイルで人気を集めているのが『株トレ――世界一楽しい「一問一答」株の教科書』です。著者は、2000億円超を運用した元ファンドマネジャー、楽天証券の窪田真之さん。この記事では、編集担当の視点から、本書のポイントを紹介します。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)
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ボリンジャーバンドが相場の変化を教えてくれる
窪田さんが著書『株トレ』で、最も信頼しているテクニカル指標の一つとして挙げているのが、「ボリンジャーバンド」です。
ボリンジャーバンドとは、移動平均線の上下に引かれる帯(バンド)で、株価の値動きの大きさ(ボラティリティ)を示すテクニカル指標です。
バンドの幅が狭いときは、株価の変動が小さい状態です。一方、バンドが急激に広がると、市場で売買が一気に活発になったことを意味します。
特に注目したいのは、狭かったバンドが急拡大し、株価がバンドの外へ大きく飛び出した瞬間です。
このような動きは、市場に何らかの新しい材料が出て、多くの投資家が一斉に売買を始めた兆候と考えられます。大きなトレンドが始まるきっかけになることも少なくありません。
買った直後に急落…どう判断する?
たとえば、『株トレ』に掲載されている次のチャートを見てみましょう。
週足チャートにボリンジャーバンドを表示させたものです。
上昇トレンドの株を買ったら、途端に急落。あなたならどうする?
3週間前、H社は長い陽線をつけ、株価が上側のボリンジャーバンドまで上昇しました。そこで100株購入したものの、その後、株価は急落してしまいました。
ここで「売る」「買い増しする」「様子を見る」のどれを選ぶべきでしょうか?
ボリンジャーバンドの「売りシグナル」
H社は、それまで13週移動平均線と上側のボリンジャーバンドの間で、過熱感のないきれいな上昇トレンドを続けていました。そのため、長い陽線が出たタイミングで買った判断自体は決して悪くないと窪田さんは言います。
ところが、その直後に状況は一変します。バンド幅は拡大し、株価は13週移動平均線を一気に割り込んで、下側のボリンジャーバンドまで急落しました。
このようなチャートは、市場に重大な悪材料が出た可能性を示しています。悪材料を嫌気した投資家の売りが売りを呼び、下落がさらに加速するケースも珍しくありません。このような局面では、「そのうち戻るだろう」と期待するよりも、傷口が広がる前に損切りすることが重要になります。
大きく負けない人が最終的に資産を増やせる
買ったタイミングは悪くなかった。それでも予想外の悪材料で急落することは、株式投資では避けられません。
だからこそ重要なのは、その後の対応です。
「そのうち戻るだろう」と様子を見る。「安くなったから」と買い増しする。こうした行動は、損失をさらに大きくしてしまったり、長期間資金を拘束してしまう可能性があります。
一方で、不運な急落を素直に認め、冷静に損切りできれば、資金を守ることができます。
すべてのトレードで勝つことはできません。負けトレードを小さな損失で終わらせることができれば、その資金を次の有望なチャンスに振り向けることができます。
多くの人が、勝つことばかりに意識が向きがちですが、チャートを活用したトレードが上手い人ほど、「いかに大きく負けないか」を重視しています。損失が小さいうちに素早く損切りし、大きな下落に巻き込まれないことを徹底しています。
大きな利益を狙うことはもちろん大切です。しかし、その前提となるのは、一度の失敗で資産を大きく減らさないこと。チャートを活用しながら、売るべき場面では迷わず損切りすることが、株で長く勝ち続けるための基本なのです。



