「地頭」を鍛えたいと思っても、今さら変えられないものと思われがちだ。だが、多くの社員を育成してきた東証プライム上場社長の木下勝寿氏は「地頭はセンスではない。スイッチの押し方さえわかれば変えられる。AI時代になればなるほど『地頭』が重要になる」という。そんな木下氏が考える「上司の評価が高い人」の特徴とは? ライターの照宮氏に寄稿いただいた。(構成/ダイヤモンド社・寺田庸二)
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「寝耳に水」の出来事
ライターとして芸能人や著名人のインタビューを多くしていた時期がある。委託だったので、アレンジはすべて先方任せだった。
こちらに届くのは「この日、この人、この場所」という確定情報だけ。社内の進捗状況も、次の取材相手が決まっているかどうかも、まったくわからない。
だから私は、連絡が来たらすぐ動けるように待機する、というスタイルで仕事をしていた。
そんな中、人づてに「もっと提案してほしいって言われていたよ」という話を聞いた。
寝耳に水だった。
情報も共有されていない側が、何をどう提案しろというのか。そういう期待があるなら、最初に言ってほしかった。
嫉妬するほど「上司の評価が高い人」の特徴とは?
上場企業の社長ながら、「ここ20年以上、まともに悩んだことがないんです」と言う木下勝寿氏は著書『地頭スイッチ』の中でこう述べている。
まず「可能性が高いもの」を選び、実行しながらその選択肢の手段を正解にしていくのです。
――『地頭スイッチ』
あのとき私がしていたのは、正解が届くのを待つことだった。
指示や確定情報という「正解」が来なければ動けない、という前提で仕事をしてしまっていた。
でも、本書で言う「地頭モード」とは、そもそも正解が存在するとは考えない。
情報が不完全でも、状況が曖昧でも、可能性が高いものを自分で選んで動き出す。
そして動きながら、その選択を正解に育てていく。
こういう人は自然と上司の評価も高くなる。
振り返ると、情報がなくても動ける余地は、ゼロではなかったかもしれない。
待つことを、当然の前提として仕事をしていた。
仕事において、完全な情報が揃うことはほとんどない。
そういう局面において、正解を「探す」のか、正解を「つくりにいく」のか。その「構えの違い」が、気づかないうちに積み重なって、数年後に立っている場所が違ってくるだろう。まさに「仕事の構え」が大事なのだ。








