フジテレビ本社ビル Photo:JIJI
テレビ離れが叫ばれ、視聴率至上主義に縛られるテレビ局はもう「オワコン」なのでしょうか?そんな中、フジテレビがかつて敵対したSBIと提携協議を開始し、業界を騒がせています。実はフジテレビ、水面下で「まさかの大化け」を果たす、驚くほどしたたかな戦略を描いていました。テレビ局特有の「放送して終わり」という病から脱却し、1000億ファンドで挑む〈ビジネスモデル大転換〉の全貌と、莫大な利益を生む未知のカラクリに迫ります。(百年コンサルティングチーフエコノミスト 鈴木貴博)
アクティビストを退けつつ
「敵の提案」を呑む離れ業
フジテレビを擁するフジメディアホールディングスは思った以上にしたたかな会社のようです。
昨年、波乱の株主総会で深く頭を下げる一方で。敵対的買収危機をはねのけ、アクティビスト株主の提案を拒否して新体制を発足しました。
お楽しみはここからです。新しい取締役会はアクティビストが提案し拒絶していたはずの不動産事業の切り離しに近い方向へ大きく舵を切ります。
本業(テレビ)の価値低下に引きずられて不動産事業の価値が適切に株価に反映されていないという批判は経営理論的には適切なものでした。何らかの手をうたないとアクティビスト以外の機関投資家などの株主も説得できない状況だったはずです。
経営陣の判断はちょっとした離れ業でした。不動産事業について、完全売却も排除しない形で外部資本導入とオフバランス化の検討開始を決めると同時に、総額2349億円の自社株買いを同時決定したのです。
説明しますと、大規模な自社株買いをすることで株価が上がります。割安な株価で不動産事業を乗っ取ろうとしていた敵対的株主の目論見を崩し、株を手放させることに成功しました。その前提でオープンな入札で不動産価値を最も高く評価してくれる外部の買い手を募ったのです。
結果として昨年あった「8000億円の価値がある不動産事業をたった3500億円で買収されるかもしれない」という経営危機が回避されます。これがひとつめのしたたかさです。
そしてもうひとつのサプライズが先週発表されたSBIホールディングスとの資本業務提携協議です。






