「松のや」と「かつや」の看板撮影=ダイヤモンド・ライフ編集部

かつてワンコインで市場を席巻した王者「かつや」。しかし、2026年4月の既存店売上高96.2%で2025年12月から5カ月連続で前年割れ。客離れが起きています。一方、猛追する「松のや」は急速に店舗を増やし、店舗数でかつやを抜きました(2025年4月時点)。ライバルたちの明暗を分けた「ビジネスモデルの差」を分析します。(百年コンサルティングチーフエコノミスト 鈴木貴博

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衝撃の安さ
国産豚で890円

 外食大手の松屋フーズのとんかつ業態「松のや」が拡大しています。牛めしの松屋やカツカレーを提供するマイカリー食堂との併設店を含めると2025年に店舗数が500店舗に到達。外食市場での存在感を増しています。読者の皆さんの中でも最近「松のや」でランチを食べたという方は多いのではないでしょうか?

 人気の理由は圧倒的なコスパです。とんかつ定食というのはそもそもは庶民にとってのちょっと贅沢な食事でした。そのとんかつがインフレ経済の中で徐々に庶民には手が届きにくい価格帯へと移行し始めています。

 そのような世情の中で「松のや」はロースかつ定食もかつ丼も690円(税込、以下同じ)という庶民に手が届く価格帯での提供を続けています。なぜ「松のや」がインフレ環境下でも庶民の味方であり続けられているのか?経済の専門家の視点で解説したいと思います。

 最初に〇×クイズから始めてみましょう。「従来型の大手のとんかつチェーン店に比べて松のやの価格が安い理由は〈材料の差〉である」、これは〇でしょうか?それとも×でしょうか?