米国の大学の牛歩のように遅い対応と比べると、中国の大学の決定は事実上の即決処分とも言える極めて迅速なものだった。5月12日、動画ブロガーの耿洪偉(ゲン・ホンウェイ)氏は、上海大学の科学者たちが学術誌「ネイチャー・ナノテクノロジー」でデータを捏造(ねつぞう)したと主張した。大学は同日、調査の開始を発表した。1カ月後、不正行為が確認されたとして、博士研究員1人を解雇し、大学のトランスレーショナル医学研究所の所長を更迭したと明らかにした。中国トップクラスの研究者と権威ある科学誌を巻き込んだ事案が相次いだことにより、耿氏は中国で有名人となり、国内の医科学分野で最も影響力のある人物となったとも言える。33歳の大学院中退者である耿氏は、わずか5分間の動画1本で、学術界のスターのキャリアを断つことができる。