平日の仕事が追いつかず、週末にまとめて挽回しようとする――その思考が習慣になっているなら、上司としての在り方を見直すサインかもしれない。

土日

上司が余裕を失うと、チーム全体が影響を受ける

「今週は無理だったけど、週末でなんとかしよう」――
その発想が頭をよぎった瞬間、リーダーとしての状態に注意が必要だ。
上司が疲れ切って余裕を失えば、物事を見極める力が落ち、
その影響はチームの全体に波及していくからだ。

上司の役割は、自分の作業をこなすことだけではない。
チームの状態を常に把握し、適切なタイミングで正しい判断を下し続けることが求められる。
そのためには、上司自身が整った状態でいることが前提になる。
蓄積した疲労のなかでは、部下の小さな変化を見落とし、
大事な局面での判断を誤るリスクが高まっていく。

手を打たなければ、時間はすべて埋まっていく

「土日でリカバーすればいい」と考えた瞬間、上司としては黄色信号です。
上司が疲弊して余裕をなくせば、判断力が鈍り、チーム全体に悪影響を及ぼすからです。
上司の時間は、放っておけば必ず「奪われる」ものです。
上司が自分の作業時間を確保するためには、毎月給料から天引きで銀行口座にお金を貯めるように、カレンダーにまず「自分のための時間」をブロックしなければなりません。

何も手を打たなければ、上司のスケジュールは外から次々と埋められていく。
部下からの相談、急きょ入る会議、上からの指示――
そうしたものが積み重なるうちに、本来取り組むべき仕事や、
自分のコンディションを整えるための時間は、いつの間にか消えてしまっている。

著者が示すのは、貯金の仕組みをそのままスケジュール管理に応用するという発想だ。
毎月の給与から先に一定額を積み立てる天引き貯金と同じように、
まずカレンダーの中に自分専用の枠を先に確保しておく。
残ったお金を貯めようとしても貯まらないのと同様に、
空いた時間を後から探そうとしても、気づけばどこにも余白はない。
先手を打つことでしか、自分の時間は守れないということだ。

自分のコンディションを守ることが、チームへの責任でもある

自分のための時間をあらかじめ確保することを、
わがままや非効率のように感じてしまう上司もいるかもしれない。
しかし、リーダーが安定した状態にあることは、チームの質に直接つながる。
精神的にも体力的にも余裕のある状態の上司のもとでは、
部下は安心して動け、何かあれば迷わず相談できる雰囲気が生まれる。

週末を「今週やり残したことを片づける場所」として使い続ける限り、
体力と判断力は少しずつ削られていく。
週末を補填ではなく、回復と再準備のための時間として機能させるためにも、
平日のスケジュールをあらかじめ設計しておくことが、長く続けられるリーダーの在り方につながっていく。

今週のカレンダーを開いて、まず自分専用の時間を一枠だけ先に入れてみることだけでいい。

(本記事は、書籍『コンサル時代に教わった 仕事ができる上司の当たり前』をもとに作成しました)