もう少し情報を集めてから、次回の会議で改めて――そうして判断を後回しにしてしまう上司がいる。しかし、その「慎重さ」が、チームにとって最大の障害になっていることがある。

仕事ができない上司は「決断」しない
人が決断を先送りにしてしまう背景には、
意思決定が人間にとって最も脳に負荷のかかるストレスフルな作業だという事実がある。
選択肢を比較し、結果を予測し、責任を引き受ける――
この一連のプロセスは、精神的に非常に重いものだ。
だからこそ、人は無意識のうちに「もう少し考えてから」「情報が揃ってから」という言葉で、
決断の瞬間を先に延ばしてしまいがちになる。
これは決して怠慢ではなく、脳が自然と負荷を避けようとする反応だとも言える。
しかし、上司という立場においては、この傾向をそのままにすることは許されない。
仕事ができる上司は「決断」する
しかし、上司の給料には、「決断することへの対価」が含まれています。現場の実務を部下に任せた分、上司が背負うべきは「決めること」です。
上司が会議で決断から逃げれば、部下は動きようがなく、上司自身がチーム最大のボトルネックになってしまうのです。
上司の報酬には、現場の実務ではなく「決断することへの対価」が含まれているという。
日々の実務を部下に委ねている分、上司が引き受けるべき責務は、
情報を整理して判断を下し、チームが進む方向を示すことだ。
会議の場で上司が結論を出すことを避ければ、
その場にいる全員が次の行動に移れなくなる。
部下はどこに向かえばいいかわからないまま時間を過ごし、
プロジェクトは停滞し、最終的には上司という存在が、
チーム全体の進行を妨げる最大の要因になってしまう。
「決めない上司」が生むコストを意識する
決断を後回しにすることは、一見すると慎重な姿勢に見える。
しかし実際には、判断が下されない間も、チームの時間とエネルギーは消費されている。
方向性が定まらないまま動こうとすれば、無駄な作業が生まれ、
方向性が定まるまで動けなければ、それ以上の時間が失われる。
完璧な情報が揃うことはほとんどなく、
ある程度の不確実性を抱えたまま判断を下すことが、上司には求められる。
「決めること」の責任を引き受ける覚悟こそが、
部下から信頼される上司の、根本的な条件になっていく。
次の会議で判断を求められたとき、先送りにせずその場で結論を出すことだけでいい。
(本記事は、書籍『コンサル時代に教わった 仕事ができる上司の当たり前』をもとに作成しました)














