が、そこから「あと5分だけ!」と小さな我慢を積み重ねれば大事な集中力のバランスを壊さずに済みますし、「作業を止めたい」や「スマホを見たい」といった小さな不快感を乗り越えた体験が、やがて獣のなかに自信を育んでいくはずです。

やる気が出ないときには
5秒のカウントダウンが効く

 もっとも、なかには「そもそも作業をスタートさせるのが苦手だ」という人もいるでしょう。

 そんなときは、「5のルール」を次のように使ってください。

状況:「書類を作らねばならないが取りかかれない」
 ↓
対策:「頭のなかで5からカウントダウンを始め、ゼロになるまでにとりあえずキーボードを叩き始める」

『人生を変える科学的な集中術』書影人生を変える科学的な集中術』(鈴木 祐、SBクリエイティブ)

状況:「運動したいのに気持ちが上がらない」
 ↓
対策:「頭のなかで5からカウントダウンを始め、ゼロになるまでにとりあえずその場でスクワットを始める」

「作業をする気が起きない……」との気持ちがよぎったら、すかさず心のなかで「5、4、3、2、1」とカウントダウンをスタートさせ、そのあいだに、とにかくタスクに取りかかってください。これで必ず仕事に取りかかれるとまでは言いませんが、なんの対策も取らずに作業を先延ばしにするよりは確実に生産性が上がります(注4)。

 カウントダウンが効くのは、獣の時間感覚が刺激されるからです。

 基本的に獣は遠い未来のタスクに興味を持つことができず、少しでも先の作業はできるだけ後に回そうとします。しかし、5秒のカウントダウンを行うと、獣が「そんなに事態が差し迫っていたのか!」と認識し直し、タスクへの関心を取り戻してくれるのです。

(注4)Mel Robbins (2017) The 5 Second Rule: Transform Your Life, Work, andConfidence with Everyday Courage