現代は既存のビジネススキルがにわかに陳腐化し、すぐに新たなスキル習得を求められる大激変期です。学び直しがブームとなる中、独学する力はもはや必須スキルになったといえます。特集『仕事に効く!独学バイブル』では『知的戦闘力を高める 独学の技法』と『新・独学術 外資系コンサルの世界で磨き抜いた合理的方法』という2冊の独学本を紹介します。#3は教養書とビジネス書で大きく異なる「読書の技法」。仕事にも効く!独学するビジネスパーソンにとってのバイブルになること請け合いです。(ダイヤモンド編集部編集長 山口圭介)
経済記者に転じて求められた
書籍と向き合う時間
殺人事件、暴力団抗争、詐欺事件などなど、新聞社の事件記者だった頃はひたすらに事件現場を踏み、捜査当局や被害者の関係者ら取材対象者と向き合う日々でした。「週刊ダイヤモンド」の経済記者に転じてからは、取材先と同じくらい書籍と向き合ってきました。
「何か面白い話はありませんか?」と取材先の経営者にご機嫌伺いするだけでは相手にされません。担当業界の関連書籍やビジネス書はもちろん、経営者と議論するために、歴史や哲学など教養書も読みあさりました。
『知的戦闘力を高める 独学の技法』の著者で、独学で外資系コンサルタントとして活躍した山口周氏は、「読書には、大きく次の四つの目的がある」と説きます。
(1)短期的な仕事で必要な知識を得るためのインプット(主にビジネス書)
(2)自分の専門領域を深めるためのインプット(ビジネス書+教養書)
(3)教養を広げるためのインプット(主に教養書)
(4)娯楽のためのインプット(何でもあり)
重要なのは「自分が今どの目的モードで本を読んでいるか、ということに意識的になる、ということ。そして、その意識された目的に応じて読書のアプローチやテクニックを使い分けることが求められるということ」と山口氏。
ビジネスパーソンが高い知的成果を生み出していくためには、ビジネス書と教養書の二つを両輪のように組み合わせて読んでいくことが必要になるけれど、注意しなければいけないのが、ビジネス書と教養書とでは、読み方が全く異なるということだそうです。
『知的戦闘力を高める 独学の技法』の本文では、四つの目的別の具体例を示すとともに、ビジネス書と教養書の読み方をそれぞれ大公開しています。