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スキルを磨き、仕事で結果を出せば、きっと評価してもらえるはず――そう信じている人は少なくない。しかし、その努力、じつは無駄になっているかもしれない。ビジネスパーソン17万人の行動記録と人事評価を分析して導いた統計データでわかった、「評価の意外な真実」を紹介しよう。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局・石井一穂)
社内で最近よく使われている「流行り言葉」に気づいている
2,879名が対象の調査で、期待されている人の64%が社内SNSやイントラネットでよく使われる「トレンドワード」を月に2回以上確認していることがわかりました。
これは一般社員における比率の2.4倍です。
ある日を境に、会議で「シナジー」という言葉を頻繁に聞くようになった。メールの文面に「共創」というフレーズが増えた。役員のスピーチに「人的資本」が登場し始めた……。
期待されている人たちは、こうした社内の流行り言葉を把握しているのです。
方針が変わる前に、「言葉」が変わる
複数の企業で組織改革支援してきた中で、ひとつの法則を発見しました。
会社の方針が正式に変わる6か月前に、必ず先に「言葉」が変わり始めるのです。
たとえば、大手保険会社で30代にして執行役員に就いた男性はこう言いました。
「私は社内の言葉を株価のように追跡しています。毎月、経営陣のメッセージや全社メールに登場するキーワードを記録している。すると面白いことが見えてくる。“イノベーション”が減り始めて“コスト意識”が増えたら、守りの経営にシフトする前兆。“グローバル”が急増したら、海外展開の予算がつく合図。正式発表の半年前に、言葉が教えてくれるんです」
108社の社内SNSの投稿ログとキーワード出現頻度の推移を分析し、さらに、対象者への簡易アンケートを組み合わせて検証したことがあります。
すると実際、期待されている人たちは正式発表前の方針転換や人事の動きを察知している確率が高かったのです。
ある通信会社で社内のトレンドワードを定期的に観察している社員は、提案書に経営陣が「今まさに気にしているキーワード」を織り込んでみたそうです。
その結果、彼の提案の採用率は平均で27%高くなったと話していました。
社内の会話を聞いているだけの人と、そこから「考えられる人」
中堅商社の最年少役員は、中途入社の採用面接の際、応募者がこの視点を持っているかどうかを確認しているそうです。
「自社の面接では、必ず“最近、社内で気になる言葉はありますか?”と聞いています。この質問に答えられる人は、組織の空気を読む力がある。逆に“ないです”と答える人は、視野が自分の業務で止まっている。言葉への感度は、経営視点の有無を測るリトマス試験紙なんです」と話していました。
「最近あの部署に関する投稿が増えてきた」
「この役員のコメントが急に引用され始めた」
ほとんどの人は、流行り言葉を聞いても軽く流しています。
しかし期待されている人たちは、そうした微妙な変化を拾い、そこから組織の方向性や、次の動きを察知する。
その姿勢が、評価や出世のスピードに確かな影響を与えていたのです。
(本稿は、越川慎司著『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』の内容を抜粋・編集した記事です)
株式会社クロスリバー 代表取締役社長
日系通信会社や外資ベンチャーなどを経て2005年にマイクロソフト米国本社へ入社。その後、日本マイクロソフトの役員としてExcelやPowerPointなどの事業責任者を務める。2017年には週休3日・複業を実践する会社、株式会社クロスリバーを設立し、800社以上の働き方改革を支援。年300回以上提供する企業向けオンライン講座の受講者満足度は平均96%、行動に移す受講者は95%以上。著書は『世界の一流は「休日」に何をしているのか』(クロスメディア・パブリッシング)や、『AI分析でわかった トップ5%社員の習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など33冊、累計130万部。NHK、TBS、テレビ東京、PIVOT、NewsPicksやReHacQなどメディア出演多数。








