「将来が見込めない40代」の口癖・ワースト1Photo: Adobe Stock

若い頃はエースとして活躍したものの、30代後半~40代で突然成長が止まってしまう人がいる。一方で、年齢を重ねるごとに周囲の信頼を集め、必要とされ続ける人もいる。その違いの一つとして、「悪い報告への対応」に差があることがわかった。815社17万人の行動と人事評価を分析してわかった、その答えを教えよう。(構成/ダイヤモンド社・石井一穂)

「将来が期待できない」と思われてしまう人の口癖

部下や後輩から深刻なトラブルの報告を受ける。
事態の重大さに焦り、原因を突き止めようと必死に状況を問い詰める。

若手の頃に結果を出してきた人ほど、こうして責任を果たそうとする人は多い。

だが、第一声で「なんでそうなったの?」と聞いてしまうと、それは責めているのと同じである。

悪い報告を責めるほど、周囲は萎縮して問題を隠すようになる。
結果として、情報共有が減り、チームのパフォーマンスは下がる。

「リーダー失格」の烙印を押され、キャリアはそこから下降していく。

必要とされ続ける人は「悪い報告を受け入れる」

では、職場で評価され、必要とされ続ける人たちは何をしているのだろうか。

815社17万人のビジネスパーソンの行動と評価データを分析したところ、その答えがわかった。

感情的に原因を追及することを避け、悪い報告を持ってきた人を、まず「受け入れる」姿勢を徹底しているのだ。

期待されているリーダーの63%は、部下が悪い報告を持ってきたとき、まず「認める」発言をするようにしているとわかりました。これは一般リーダーにおける比率の4.8倍です。

――『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』(越川慎司 著)より

真面目な人ほど、他人のミスを厳しく指導し、再発させないように厳しく叱責しがちだ。

「それが、チームの規律を守るために必要だ」と信じて続けている人は少なくない。

しかし職場で評価されている人たちは、内容がどれだけ深刻でも、部下を責めないように意識しているのだ。

厳しい叱責は、トラブルの「発見」も「解決」も遅らせる

実際、叱責を恐れてミスを抱え込むリスクを徹底的に排除した方が、トラブル解決の質も高まることがわかった。

「報告してくれてありがとう」を第一声にするリーダーのチームは、トラブル対応時間が74%も短縮されていることが調査でわかっています。
トラブル対応の速さは、業務に多大な影響を与えます。
128社において、製品の具合やITサービスの予期せぬ停止などによるトラブル対応について調べたところ、トラブル発生から2時間以内に正しい対応を取らないと、その後の対応時間が3倍以上になるとわかったからです。
早期に報告が上がるから、問題が小さいうちに対処できる。結果として、チーム全体の生産性も上がっていたのです。
一方で、悪い報告を「責める」文化のあるチームは、問題の隠蔽リスクが2.3倍も高いと判明しています。
その結果、問題に気づいたときにはすでに事態が最悪の状態になっていて、対応に多大な時間と労力が必要となります。

――『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』(越川慎司 著)より

ミスを厳しく追及する。

その行為が、結果的にミスの発見を遅らせ、解決のハードルを上げてしまう。

こういったコミュニケーションをする人は、当然、組織から評価されることも、将来を見込まれることもないだろう。

(本稿は、越川慎司著『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』の一部を引用したオリジナル記事です)

越川慎司(こしかわ・しんじ)
株式会社クロスリバー 代表取締役社長
日系通信会社や外資ベンチャーなどを経て2005年にマイクロソフト米国本社へ入社。その後、日本マイクロソフトの役員としてExcelやPowerPointなどの事業責任者を務める。2017年には週休3日・複業を実践する会社、株式会社クロスリバーを設立し、800社以上の働き方改革を支援。年300回以上提供する企業向けオンライン講座の受講者満足度は平均96%、行動に移す受講者は95%以上。著書は『世界の一流は「休日」に何をしているのか』(クロスメディア・パブリッシング)や、『AI分析でわかった トップ5%社員の習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など33冊、累計130万部。NHK、TBS、テレビ東京、PIVOT、NewsPicksやReHacQなどメディア出演多数。