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ダイヤモンド・オンラインのスクープにより判明した、東証スタンダード上場ANAPホールディングスにおける「41億円資金還流」事案(『【スクープ】東証スタンダード上場ANAPから41億円が流出、大半が金融業者に還流か…疑惑の「資金還流スキーム」を独断実行した前社長は別の上場企業に転身の怪』参照)の調査が大詰めを迎えている。調査委員会の報告書公表が迫る中、取材で新たに、無価値の事業で巨額資金を生み出す錬金術の手口が明らかになった。(フリーライター 村上 力)
再建中のANAPで起きた怪
41億円還流スキームの闇
この事案は、アパレル事業の不振から再建を図っていたANAPホールディングスが、スポンサーである金融業者などから借り入れた約41億円を「事業取得対価」などの名目で外部に送金し、その大部分が貸し手である金融業者に還流していた、というものである。
当時、ANAPの再建には二つのグループが参加していた。ECサービスを手掛けるネットプライス。そしてQL有限責任事業組合や金融業者のTiger Japan Investment (タイガー ジャパン インヴェストメント)などの投資グループだ。ネットプライスはビットコイン財務戦略を手掛け、QL・タイガージャパン系は新規事業としてエステティックサロン「エルセーヌ」事業の買収を推進していた。2025年3月には、QLから送り込まれた湯浅慎司氏がANAP社長に就任する。
25年5月ごろ、ANAPはQLやタイガージャパンから41億円を借り入れ、TLCという会社に事業取得対価名目で35億円、営業費用として5億円を送金した。しかしTLCは、受け取った資金の大部分を即座にタイガージャパンへ送金していた。
ANAPはTLCから取得したとされる事業資産を25年8月期までに全額減損し、巨額の損失を計上。一方、貸し手のタイガージャパン側は、資金還流により実質的に貸付金相当額を回収しながら、ANAPに対して貸付債権を取り立てることで短期間に元手を倍に増やせる。
さらにANAPは25年7月、この貸付債権を現物出資する形でデット・エクイティ・スワップ(DES)による第三者割当増資を計画。1株当たりの発行価格は時価の4分の1という圧倒的に有利な条件だった。タイガージャパン側が、元金を回収した上でANAPの株式をただ同然で手に入れられる「錬金術」が実行されようとしたのである。
しかし、この取引に警戒心を抱いたANAP現経営陣の抵抗に遭い、DESは頓挫した。湯浅氏らは東証スタンダード上場のサイバーステップに転身。現経営陣は25年11月までに日比谷パーク法律事務所による調査委員会を設置した。同所の久保利英明弁護士は、「第三者委員会報告書格付け委員会」を主宰するなど不正調査業界の大御所だ。既に調査委設置から半年が経過し、金融当局もその動向を注視している。
上場企業を舞台にした巨額錬金術がなぜ平然とまかり通ってしまったのか。そこには、会社法や会計制度のチェック機能を根底から揺るがす、あまりに巧妙な「法の抜け穴」が横たわっていた。次ページで明らかにする。







