人工知能(AI)を使った音声サービスのスタートアップを立ち上げたハンス・イバラ氏は、大きなチャンスに恵まれた。オープンAIやアンソロピックといった大手AI企業が取引を獲得しようと必死になり、値引きを次々と打ち出しているのだ。シリコンバレーでは、イバラ氏のようなスタートアップ創業者は新たな顧客獲得を競うAI企業から取引を提案され、コンピューティングクレジットの恩恵を受けている。AIを活用したプログラミング支援ツールを手掛ける米新興カーソルは、7月5日まで75%の割引を提示していた。同社は、実業家イーロン・マスクの宇宙企業スペースXに買収されている。オープンAIやアンソロピックなどの企業で拡大するAI営業部隊からの魅力的な提案が殺到しているため、スタートアップ創業者は当初予定していたほど早期に資金調達する必要がなくなったと述べている。またAI企業同士を競わせることができたという人もいる。クラウドコンピューティングやトークン(AIコンピューティングの基本単位)に関して、複数の企業から総額300万ドルを超えるクレジットの提示を受けたケースもあるという。ピッチブックによると、これは米国のシードラウンド(創業初期の資金調達)の中央値に相当する規模だ。