株式投資で大きな利益を上げる人は、業績が改善する企業を、他の投資家より一足早く見つけています。企業のどこを見て、「これから伸びる」と判断しているのでしょうか。「利益は額でなく、率に注目する」と話すのは、2000億円超を運用した元ファンドマネジャーで、楽天証券の窪田真之さん。この記事では、株価が伸びる企業を見極めるためのポイントを紹介します。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

株で資産を増やす人が「株を買う前に必ずチェックしている1つの情報」Photo: Adobe Stock

利益は「額」だけでなく、「率」を見る

 窪田さんが著書『株トレ ファンダメンタルズ編』で、銘柄選びの重要なポイントとして挙げているのが、「収益基盤がしっかりしている会社」を選ぶことです。

「収益基盤がしっかりしている会社」とは、一時的ではなく、継続して利益を生み出せるビジネスを持っている会社のこと。収益性の高さを判断するうえで役立つのが、「利益率の推移」です。

 売上や利益の金額を見るだけでは、本当に企業の競争力が高まっているのかどうかは見えてきません。しかし、利益率を見れば、その会社が以前より効率よく利益を稼げるようになっているのか、それとも競争の激化などで収益性が落ちているのかが見えてきます。

 では、具体的なモデルを使って考えてみましょう。

 次の2社の業績推移を見て、過去4年間で収益基盤が改善しているのはどちらでしょうか?

A社の業績推移A社の業績推移
B社の業績推移B社の業績推移

A社は増収増益でも、利益率は悪化

 A社は2023年から2025年にかけて増収増益を続けていますが、その期間の営業利益率は年々低下しています。

営業利益率は低下営業利益率は低下

 競争の激化などによって、収益性が悪化したのでしょう。

 その結果、2026年には減収・大幅減益となり、利益率もさらに低下しました。

B社は減収減益でも、利益率は改善

 一方、B社は2023年から2025年にかけて減収減益となっています。ところが、その期間の営業利益率は着実に改善しています。

営業利益率は改善営業利益率は改善

 不採算事業の整理やコスト構造の見直しなどによって、収益性が改善したと考えられます。

 そして2026年には増収・大幅増益へ転じ、利益率もさらに上昇しました。

利益率が伸び続ける会社は、将来の成長力も高い

 売上規模が大きくても、利益率が下がり続けている会社は、競争力が弱まり、収益性が悪化している可能性があります。

 一方、現時点では売上規模がそれほど大きくなくても、利益率が継続的に改善している会社は、利益を稼ぐ力が強くなっている証拠です。そうした会社は、売上が拡大したときに利益がそれ以上のスピードで伸びる可能性があります。

 企業の将来性を見極めるときは、「増収・減収」や「増益・減益」といった「金額」だけでなく、「利益率が改善しているか」という視点も忘れないようにしたいところです。