メタ・プラットフォームズのザッカーバーグCEOPhoto:Alex Wong/gettyimages

 大手テック企業が人工知能(AI)向け支出を抑制するという見通しは、一部の投資家にとって魅力的に映るかもしれない。だが、そう考えれば高いコストを払うことになりかねない。

 今のところ、そうした展開は現実的ではなさそうだ。今月中に発表される4-6月期決算では、AI投資が再び爆発的に拡大したことが明らかになるだろう。ビジブル・アルファがまとめたコンセンサス予想によると、アナリストは、グーグル、マイクロソフト、アマゾン・ドット・コム、メタ・プラットフォームズの4社による設備投資額が、4-6月期に前年同期比74%増加し、合わせて1680億ドル(約27兆2000億円)に達したと推測している。

 こうした支出は、これら4社のフリーキャッシュフローと株価を圧迫している。4社のうち年初来リターンがS&P500種株価指数を上回っているのは、グーグルの親会社アルファベットだけだ。

 だが、AIに多額の支出を行っている企業が、投資を少なくとも合理的なものとする方法を探っている兆しもみられる。イーロン・マスク氏率いる宇宙開発企業のスペースXが先月上場する前、傘下のxAIは計算能力をアンソロピックと実質的に共有する大型契約を締結した。契約額は月間で12億5000万ドルに上る。

 スペースXはこれまで、計算ネットワークの規模に照らして「ハイパースケール」企業と呼ばれるテック企業の仲間には入っていなかった。しかし、同社は昨年、AI事業に127億ドルの設備投資を行った。これはロケット事業への投資額の3倍に相当する。ビジブル・アルファによると、アナリストらは、今年はその額が370億ドル以上に膨らむと予想している。

 そして今、メタもその動きに加わろうとしているようだ。ブルームバーグは先週、同社は自ら構築した広大なAIネットワークを活用したクラウドコンピューティング事業を開発していると報じた。

 メタにとっては、この分野に参入しても著しい後発組となる。アマゾン、マイクロソフト、グーグルはいずれも10年以上にわたって企業向けにクラウドサービスを提供してきた。それでも、バーンスタイン・リサーチのアナリスト、マディソン・レザエイ氏は、メタのネットワークの規模はすでに「クラウドプロバイダーの規模に十分匹敵する」と指摘している。同氏の試算では、メタは現在約20ギガワット(GW)の計算能力を保有しており、今後数年間でさらに14GWが加わる見込みだという。