トランプ大統領が爆買い「AI関連10銘柄」と“値上がり益”判明!米政府も株買いなら上昇相場継続シナリオもPhoto:VIEW press/gettyimages

トランプ米大統領がAI(人工知能)銘柄への巨額投資で「億単位」の値上がり益を得ていた――。2026年、自らの政策と連動した利益相反の疑いが浮上する中、トランプ氏は「米政府によるAI株保有」という構想を表明した。国民への富の分配をうたうが、その真意は11月の中間選挙に向けた集票工作との見方も出ている。政敵であるバーニー・サンダース上院議員ら民主党左派は、株買いに賛同の姿勢を示しているが、実際は「同床異夢」。AIバブル崩壊の懸念を背に、トランプ政権が仕掛ける投資戦略を解剖する。(在米ジャーナリスト 岩田太郎)

トランプ大統領が数億ドルで株購入
相場の維持を狙って買った銘柄は?

 トランプ米大統領は2026年に入って、米国の主要なAI(人工知能)銘柄、すなわち、エヌビディア、マイクロソフト、アマゾン、アップル、グーグル、メタ・プラットフォームズ、オラクル、ブロードコム、デル、アドビの株式を数億ドル規模で取得した。

 2月初旬の取得以降に150%も値を上げたデル株だけを見ても、トランプ氏が得た利益は少なくとも数百万ドルに上るとみられており、トランプ政権による国家的なAI推進と連動した利益相反と取られかねないもうけ方が話題となっている。

 トランプ氏は6月5日、米政府として主要なAI開発企業の株式保有を検討すると明らかにした。記者団の質問に対してトランプ氏は、「米国民に持ち分の一部を付与し、実質的に米国民が企業のパートナーとなる。非常に興味深いアイデアであり、検討していく」と述べた。

 さらにトランプ氏は、「米国民がAIの成功の恩恵を受けられるようにする案について協議している」とし、「実現すれば素晴らしいことだ。国民を豊かにすることになる」と主張した。

 こうした考え方が浮上する背景には、AIブームで富を増大させる超富裕層が存在する一方で、AIに仕事を奪われることを懸念する米国民に富を分配すべきとの声が高まっているからだとの見方も出ている。

 加えて、AIを使用する一般ユーザーや法人顧客の課金サービス利用による利益が、AIデータセンター建設やクラウド利用料などの巨額投資に見合うレベルに到達しておらず、ブーム崩壊や一部スタートアップの破綻につながる可能性が指摘されている。

 そうした中、トランプ氏の構想は、米AI産業の持続的な投資マネーの確保およびAI相場の維持を狙うものである可能性がある。

ただ、今回の局面では、他にもう一つ狙いがあるとみられる。それは11月に控えた米中間選挙に向けた戦略を、「AIをてこ」にして有利に進めようという企てである。

次ページでは、トランプ氏が投資した銘柄とそこで得た利益、さらに株価上昇率を明らかにする。また、米中間選挙を見据えるトランプ共和党と、対する民主党の思惑を読み解く。

図表:トランプ米大統領が買った米AI銘柄