マーク・カーニー氏は、カナダを米国の51番目の州にすると発言したドナルド・トランプ米大統領への反発が追い風となり、カナダ首相の座を射止めた。多くの米国人はこの発言を単なる冗談と受け取っていた。だが、この危機の深刻さを詳述した報告書に目を通した新首相にとって、それは一線を越えるものだった。トランプ氏はカナダのジャスティン・トルドー前首相との非公開の電話会談で、両国間の国境を画定した1908年の協定を破棄すると脅していた。事情に詳しい関係者2人によると、ある通話でトランプ氏はトルドー氏に、「私がそれを破棄すれば、あなたの国全体が崩壊する」と告げた。トルドー氏の特使らはトランプ氏の邸宅マールアラーゴでの夕食会で、同氏を説得して「カナダ併合」を思いとどまらせようとした。トランプ氏の側近の1人が、カナダで暮らす4100万人は民主党寄りになるだろうと指摘すると、同氏は名案を思いついた。カナダを二つの州に分け、一方を赤い州(共和党寄りの州)に、もう一方を青い州(民主党寄りの州)にすればよい、というものだった。