ドナルド・トランプ米大統領がイランと交わした覚書は、ホルムズ海峡を開放し、世界経済への圧力を和らげることを目的としていた。しかし実際には、双方が主張を譲らず対立し、過去2週間で2度にわたる武力衝突へと発展する事態となった。対立の根源は覚書の「第5項」にある。同項は、イランがホルムズ海峡を通じた船舶航行を再開するための取り決めを行い、その後、オマーンと協力して将来の管理方法を決定すると規定されている。同時に、安全な通航を確保し、機雷などの軍事的障害物を除去するという、イラン側の確約も含まれている。トランプ政権当局者らは第5項について、ホルムズ海峡の開放を意味するものとして、トランプ氏が結んだディール(取引)の最大の成果とみなしていた。一方、イランの強硬派は第5項について、同海峡の排他的な管理権を同国に与えるものとする最大限の解釈を押し通すために利用し、主要な対米交渉カードとしてきた。