魔法が解ける前に
契約へ進ませる
また、お客さまの購買意欲というものには波がある。マイホームの漠然とした「夢」から始まって、住宅メーカーに足を運ぶ回数とともに、その夢は色濃くなってくるもの。
そして住宅ローン審査の通過と購買意欲がピークに達した状態、つまりお客さまにかけられた「魔法」が解ける前に、住宅営業マンは「契約」という目的を果たさなくてはならない。
そして、これが「住宅は衝動買い」といわれるゆえんでもある。実際、住宅ローン審査通過のタイミングで計画をやめる人は見たことがない。
また、住宅メーカーが契約までにあまり時間をかけたがらないのも、ここに理由がある。
図面や間取りの打ち合わせに時間をかけすぎたり、契約の直前に迷いが生じたお客さまに「ゆっくりご検討ください」と帰してしまったりした場合、契約率は明らかに下がるからだ。
お客さまに時間を与えれば、他社の物件を見る時間も与えてしまうし、それより何より時間というものは人を「冷静」にしてしまうもの。
購買意欲がピークになれば、あとは下降の道をたどるだけなのだ。「何もいまじゃなくても……」「この住宅メーカーじゃなくても……」といった具合にである。
実際、お客さまの来場が枯渇しているときに営業マンが過去の来場者アンケートをもとに電話営業をするときもあるが、1年前のお客さまに電話したところで、ほとんどのお客さまが「他社と契約してしまった」「もう計画がなくなった」というような回答ばかりである。
そういう意味では、35年(最近では50年なんてものもあるが)支払い続ける住宅ローンというものを、冷静に判断した場合、本来、そう簡単に決断できるものではないのかもしれない。
売れる営業マンにある
詐欺師的な要素
住宅営業マンを含めて、不動産関連の業種というのは数千万円、数億円と高額な商品を提案し、しかもそれを基本「短期間」に契約させなくてはならない仕事でもある。







