住宅ローン「繰り上げ返済」の損益分岐点、金利1%時代に家計を見直す3つのポイントをプロの税理士が指南!Photo:sakchai vongsasiripat/gettyimages

金利が上昇すると、必ず議論になるのが住宅ローンの「繰り上げ返済」の是非だ。「借金は早く返した方がいい」という感情論も少なくないが、重要なのは経済合理性に基づくロジカルな判断である。特集『31年ぶり!金利1%の世界』の本稿では、プロの税理士が、金利1%時代の繰り上げ返済の「損益分岐点」や、家計の見直し術を指南する。(アイユーコンサルティンググループ代表/税理士 岩永 悠)

ゼロ金利の終わりが突き付ける
「家計のB/Sショック」

 日本の金融市場は長らく続いたゼロ金利政策が幕を閉じ、「金利1%のある世界」へと完全にかじを切りました。これは住宅ローンの毎月の返済額が数千円増えるという表面的な問題ではありません。人生最大の負債である住宅ローンと手元資金のバランス、すなわち「家計の貸借対照表(B/S)」を根本からひっくり返すパラダイムシフトなのです。

 金利上昇局面で必ず議論になるのが、住宅ローンの「繰り上げ返済」の是非です。多くの情報があふれていますが、その大半は「借金は早く返した方が気持ちいい」という感情論や、平成の古い常識に縛られています。

 必要なのは感情ではなく、企業経営と同じ、純経済的な合理性に基づいたロジカルな判断です。

 次ページでは、金利1%時代における繰り上げ返済の本当の「損益分岐点」を解き明かし、インフレと利上げを乗り切るための最強の家計財務戦略を指南します。