「ジャパンモビリティショー2025」で展示されたBYDの軽EV「RACCO」 Photo:JIJI
中国EV大手・BYDが放つ「日本人向けEV」。ネット上では「中国製なんて買わない」と強烈な拒絶反応が渦巻いていますが、この感情論で国産車の安泰を信じるのは極めて危険です。過去にも絶対に奪われないはずだった「日本のお家芸」が崩壊したことがありました。(ノンフィクションライター 窪田順生)
広瀬アリスCM起用で勝負
BYDが狙う「日本の軽」
「長澤まさみさんに続いてまた人気女優を起用するとは、こりゃガチで日本市場を取りに来ているな……」
そんな中国メーカーの「本気度」を感じた人も多いのではないか。7月28日に発売されるBYD初の軽自動車EV「RACCO」のCMがオンエア中なのだが、そこには数多くの映画やドラマで活躍している俳優の広瀬アリスさんが出演しているのだ。
BYDといえば、2024年から長澤まさみさんをブランドアンバサダーに起用していることも記憶に新しい。中国メーカーへのネガティブなイメージを払拭するかのように、長澤さんが「ありかも、BYD」と語りかけるCMは、注目を集めた。
そんな長澤さんは26年2月には、プラグインハイブリッド車「BYD SEALION 6」のCMにも出演。BYDに関心を持つ人の背中を押すかのように、「いよいよありかも、BYD!」と視聴者に語りかていたのだ。
そこから半年も待たずに、同じく人気俳優の広瀬アリスさんを投入したとなれば、BYDが「勝負」をかけているということは、容易に伝わってくる。
しかも、広瀬アリスさんの妹である、広瀬すずさんはスズキの「ワゴンRスマイル」のCMに2021年から起用されている。これは軽EVではないが、スタイルとしては今回「RACCO」が参入する軽ハイトワゴン。「姉妹対決」としても話題を呼びそうだ。
……という話を聞いても、「ふーん、いくら広告宣伝費に大金を突っ込んだところで、中国車は日本車に勝てないでしょ」とシラけた反応の人もいらっしゃるかもしれない。
2025年のバッテリーEV販売台数でテスラを抜いて世界一。世界販売台数は450万台に成長し、トヨタやフォルクスワーゲンを追う規模まで拡大したBYDだが、日本においては正直、パッとしないからだ。







