友達とうまく関われる子には、どのような共通点があるのだろうか。自分の考えを伝える力はもちろん大切だが、それと同じくらい重要なのが、相手の話に耳を傾ける力である。話題の書『まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』では、友達の考えをよく聞くことの大切さも紹介されている。本記事では、教育評論家の親野智可等氏に、子どもが「人の話を聞ける子」に育つために家庭でできることについて話を聞いた。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局・佐藤里咲)
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まずは親が対等に話を聞く
――友達関係でトラブルになる子の中には、自分の意見はしっかり言えるけれど、周りの意見をうまく聞けない子もいますよね。周りのお友達の意見も聞けるようになるためには、親はどのように教えてあげるといいのでしょうか。
親野智可等(以下、親野) たしかにそういう子もいますが、「わがままだ」とか「自己中心的だ」と思わないでほしいです。
「まわりのお友達の意見を聞けない」というのは、前頭葉がまだ十分に目覚めていない子に起こりがちなことなんです。つまりそのような子たちは、まだ脳が育っている途中なのです。
しかも、その発達段階は、個人差も大きいです。
だからこそ、まずは、「この子は脳が育っている途中なんだ」ということを理解してあげてほしいです。
そのうえで、親としてできることがあります。
それは、日頃から子どもの話を「共感的に」聞いてあげることです。
たとえば、何かルールを作るときも、子どもの話を聞きながら民主的に対話をする。
「寝る前にゲームをしたい」と子どもが言ったら、「わかるよ」「たしかにしたいね」とまず共感する。
そのうえで、「でも明日の朝早いよね。早く寝ないとどうなるかな」「じゃあ10分だけしていいよ」というふうに話し合う。
譲ったり譲られたりしながら、着地点を見つけていくわけです。
話し合いを家族のなかで普段からしていると、子どもも自然にそういう話し方や聞き方を身につけていくんです。
子どもの意見を共感的に聞いてあげる
――家庭で、親に自分の意見を聞いてもらえていないと、お友達と関わったときに親の態度を真似してしまうということですね。
親野 そうそう。子どもは親の姿を驚くほどみていますよ。
例えば家族旅行を決めるときなんかでも、子どもの意見を「共感的に」聞いてあげることができます。
どこにいくかをパパやママが勝手に決めるんじゃなくて、子どもに「どこに行きたい?」と聞いてみる。
子どもが、「富士山を見たい」と言ったら、「富士山か、わかるよ。きれいだし面白そうだね」とまず共感する。
でも、子どもの意見だからといって、そのまま採用できないこともありますよね。
そういうときは、「気持ちはわかったよ。でも今回はこういう理由で難しいんだ」と伝えて、「その代わり箱根はどうかな」というふうに代替案を出す。
箱根だったら、○○ちゃんの好きなものもあるよ、という話をするわけです。
――親としては、ちょっとめんどくさいと思ってしまうこともありそうです(笑)
親野 もちろん面倒くさいとは思うんですが(笑)。でも、そのプロセスが大事なんです。
そういう家庭で育った子は、友達に対しても自然と同じことができるようになります。
友達の話を聞いて、自分の意見も言って、みんなで着地点を探す。それが当たり前になるんです。
逆に、親が自分の意見ばかり通していると、子どもはそれを見て育ちます。
つまり、「強く主張すれば、自分の思う通りになる」という見本を見せていることになるんですね。
そうなると、友達関係でも、自分より弱い子の話は聞かないけれど、自分より強い子の話は聞く、というパワハラ体質を身につけてしまうことがあります。
――お友達とうまく関われる練習を、まずは親子でできるといいですね。
親野 そうですね。
『まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』という書籍のなかでも、「ともだちの かんがえを よく きこう」という項目があります。日々の対話はもちろんですが、親子でこのページを確認してもいいと思いますよ。
『まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』より引用拡大画像表示
・じぶんの かんがえを いおう。 「ぼくは こう おもうんだ」
・みんな それぞれ かんがえていることが ちがうよ。
・ちがう かんがえの ともだちも すてきだね。 「かんがえが ちがっても ともだちさ」
『まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』より引用
親野 友達の考えを聞く力というのは、実は子ども同士のコミュニケーションで育つものではありません。
家庭のなかでの会話で、「人のはなしを聞く力」は育っていくものです。
(本記事は『まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』の発売を記念したオリジナル記事です)








