図表:就寝中のエアコンが与える影響覚醒時なら感知できないくらいの弱い気流である風速0.1m/sも、就寝中に当たれば中途覚醒を促す。26度連続運転の場合(Case.Ⅰ)、一晩に300分も発生。28度連続運転(Case.Ⅱ)に軍配が上がる。放射冷房(Case.Ⅲ)は天井や壁、床などに冷水や冷媒を循環させ、その表面からの「放射熱」で直接体感温度を下げる空調方式。睡眠効率は高いが建築付帯設備であり導入コストが高いのが難点 出所:本多、伊香賀ほか、日本建築学会環境系論文集81巻724号(2016)
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 また28度の「3時間タイマー」にしてしまうと、26度連続運転と同様に、睡眠効率が悪くなる。

 それでは26度の3時間タイマーはどうかというと、意外にも28度連続運転とほぼ変わらない結果であった。だが、都築教授の研究結果も考慮して考えると、やはり弱い「連続運転」がいいだろう。そしてエアコンの吹き出し口からの気流が直接体に当たらないように気を付けたい。

睡眠の質が悪いと
翌日の知的な作業効率が落ちる

「睡眠の質が良くないと翌日の作業効率低下を招き、そのほか食欲減退やうつなどにもなりやすく、熱中症を発症するリスクも高まります。私の研究では睡眠効率が10ポイント下がると、翌日の知的な作業効率が7ポイントも落ちることがわかりました。それを会社員の人件費に置き換えて計算すると、26度連続運転で就寝した場合、1日1人当たりマイナス400円の業績への影響があります」

 反対に社員がいい睡眠を取れれば、翌日の作業成績が良く、会社の業績が上がる――と、伊香賀氏は強調する。

前回の記事でオフィス選びの際も、賃料だけでなく社員が快適に仕事ができる設計がされた建物を選びましょうと述べました。同様に社員が快適に眠れる設計の住宅に住めるような給与や手当を支払っていくことも、優秀な人材が貴重なこれからの時代、経営者に求められてくるでしょう。少なくとも、社員が自宅で良い睡眠が取れるような気遣いやアドバイスをしてあげてほしいと思います」

 伊香賀氏らのまた別の研究では「仕事をする環境」と「住環境」の双方が、心身の健康と仕事の能率に関連していることも確認されている。暑さを機に、仕事を行う環境(職場)と、休む環境(自宅)を皆で見直したい。

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推奨されたオフィスの28度設定では、仕事の能率が落ちるという。それでは一体、何度がいいのか。実験で判明した光熱費と人件費のベストバランスの温度とは?