「各部屋ごとにエアコンをつけ、浴室やキッチンなどで排気が行われる『個別空調』の家と、1軒の家で1台のエアコンで済む『全館空調』の家で、睡眠効率を比較しました。どちらの住宅も断熱性・気密性は同レベルです」(図)
「個別空調」は湿度が高く、各部屋の室温差も大きい 出所:梅本、伊香賀ほか、日本建築学会環境系論文集88巻807号(2023)拡大画像表示
睡眠効率というのは、就寝中に中途覚醒した時間を除き、“実際どれだけ睡眠が取れていたか”を表す指標である。筑波大学の睡眠研究でも用いている活動量計を使って測定したという。
「すると全館空調の家では居住者の睡眠効率の平均が83%でした。言い換えると、良い眠りが取れている率が83%の全館空調に対し、個別空調の家では73%だったのです。寝つくまでの時間も全館空調の家に住む人のほうが5分早いという結果でした。ポイントは湿度なのです」
「全館空調」の家では「熱交換換気システム」が取り入れられ、外からの空気をただ室内に入れるのではなく、冬は外気に熱を加えて暖め、暑い夏は外気の熱を取ってから室内に入れる特別な換気システムを用いている。
「外の湿った空気がそのまま入ってくる『個別空調』の家と違い、『全館空調』の家はこの換気システムで除湿もされるため、湿度が下がり、家中涼しくて快適な状態を維持できるのです。それでいて1台のエアコンで済みますから、個別空調の家と電気代もさほど変わりません」
「一晩中冷房を入れる」と
「タイマーをかける」、どちらがいい?
「この実験結果からわかることは、就寝時に寝冷えの防止や電気代の節約の観点から、エアコンのタイマーを用いる人が多いと思いますが、24時間弱くエアコンをかけ続けたほうがいいということです」
全館空調の家は、1軒の家で1台のエアコンを24時間かけ続けるシステムだからだ。







