戦禍のもとに生きる人たちは、ちょっとした選択が命にかかわることがあります。左に走るか右に走るかで生死が分かれる。人々は、そんな日常を過ごしています。
それに比べれば、私たちの逆境など大したことではありません。
仕事で不始末を起こしたところで――犯罪を犯した場合は別ですが――せいぜい会社をクビになるくらいのことです。命を取られる心配はないわけです。
今の私が仕事で重大なしくじりをすれば、無一文になるどころか、最悪、数億円という借金を抱えて路頭に迷う可能性もあります。
冷静に考えれば、恐ろしい話ですが、別にビクビク生きているわけではありません。
それに比べれば、会社をクビになったくらいで人生が詰むとも思えません。
とはいえ、現在、逆境に直面していれば、そこまで開き直れないという気持ちもわかります。そこで逆境をどうやり過ごすかについて、一緒に考えていくことにしましょう。
愚痴をこぼすのではなく
悩みを「シェア」する
逆境に直面して悩んだときには、一人で抱え込むのではなく、周囲の人とシェアすることも大切です。
ただし、周囲の人に愚痴をこぼすことと、悩みをシェアすることには明確な違いがあります。
飲み会で会社や上司の愚痴をこぼすと、一時的に気分がスッキリしてストレスが解消された気分になりますが、それだけのことで、問題は何一つ解決しません。また同じような愚痴をくり返すことになるのがおちです。
いつも愚痴ばかり言っていると、聞かされるほうはうんざりします。やがてまともな人はどんどん離れていきます。代わりに愚痴ばかり言い合う仲間だけが残ります。
一方、悩みのシェアは愚痴とは違い、問題の解決を前提にしています。
逆境に直面しているということは、どこかで自分の選択や行動に間違いがあった可能性があります。
一人で抱え込むのはNG
他者の視点を活用しよう
もちろん、逆境に直面すること自体は悪いことではありません。逆境に直面しなければ得られない学びもたくさんあるからです。
ただし、ただ逆境に直面して悩めば、自動的に学びが得られるわけではありません。学ぶためには、きちんと踏むべき「手順」があります。
『20代の特権 自分の価値を“最大化”する57の戦略』(藤井孝一、三笠書房)
例えば、間違いの原因を分析し、どうすれば解消できるかを模索します。その上で仮説を立て、次にその仮説を行動で検証していくのです。
解決策を模索していく上でカギとなるのが、他者の視点です。周囲の人に悩みをシェアすれば、さまざまな角度から意見が得られるはずです。解決の糸口が見つけやすくなります。
建設的な議論であれば、周囲の人たちも前向きに協力してくれるはずです。
普段から悩みをシェアできる仲間を作っておきましょう。20代のうちにどれだけ信頼できる仲間を持てるかがその後の人生を左右します。
なお、悩みをシェアしてもらうためには、相手の悩みにも耳を傾けることを心がけるべきです。時には、それが自分の学びになることもあるはずです。







