保有株が急騰した後、下がり始めると、「利益があるうちに売るべきか」「再び上がるまで持ち続けるべきか」と迷うものです。「チャートで売りや買いの勢いを読み取る」と話すのは、2000億円超を運用した元ファンドマネジャーで、楽天証券の窪田真之さん。この記事では、急騰後のチャートから「売り時」を見極めるポイントを紹介します。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)
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急上昇後に下がった株は、売るべきか?
買った株が急騰した後、下がり始めたら、あなたはどうしますか。
「せっかく大きく上がったのだから、利益があるうちに売っておこう」
「一時的な調整にすぎない。いずれまた上がるはずだ」
どちらの考え方にも一理あります。しかし、株価が下がったという事実だけを見て判断するのは早計です。
重要なのは、急騰後に「どのような下がり方をしているか」です。
窪田さんは、著書『株トレ』の中で、急騰後に異なる値動きを見せた2つのチャートを紹介しています。
あなたは、1,100円付近で、次の2社の株を買いました。
どちらの株も、買ってから1,900円まで急上昇し、その後、下落しています。
売るならどちらの株でしょうか?
急騰後に異なる値動きを見せた2社のチャート
急騰前の水準まで戻った株は要注意
窪田さんは、「売るべきなのは、L社」だと判断します。
L社の株価は、2週間で1,300円から1,900円まで急騰しました。ところが、その後、わずか1週間で1,350円まで急落しています。急騰による上昇分をほぼ失い、急騰前の水準まで逆戻りした形です。
これは、急騰のきっかけとなった買い材料が、市場から否定された可能性を示しています。当初は期待を集めたものの、「それほど評価できる内容ではなかった」と判断されたのかもしれません。
しかも、急騰時に飛びついた投資家の多くは、含み損を抱えています。そのため、株価が少し戻ると、「損失が小さいうちに売りたい」という売りが出やすくなります。
急騰前の水準まで一気に戻った株は、単に値下がりしただけではありません。買い材料への期待が剥がれ、戻り売りも出やすい、非常に危険な状態だと考えられるのです。
すぐに売る必要はないチャート
一方、M社は、急騰後に「三角もちあい」を形成しています。
急騰後に三角もちあいを形成
三角もちあいとは、上値が次第に切り下がる一方、下値が次第に切り上がり、値動きが三角形のように収束していくチャートの形です。
急騰後には、利益を確定したい投資家の売りが出ます。その一方で、買いたい投資家も現れます。売りと買いの力が拮抗すると、株価は一定の範囲を行き来しながら、徐々に値動きが小さくなっていきます。
これは、急騰後の「スピード調整」と考えることができます。急ピッチで上昇した株価がいったん休み、次に動く方向を探っている状態です。
もちろん、その後に上昇するとは限りません。三角もちあいはいずれ、上か下のどちらかに離れる可能性があります。上放れするまでは「買い」と断定できず、下放れすれば「売り」と判断する必要があります。
ただし、三角もちあいを維持している間は、急騰時の買い材料が否定されたわけではありません。L社のように急騰前の水準まで崩れた株とは、状況が大きく異なります。
チャートの形から投資家心理を読み取る
窪田さんは、M社の三角もちあいについて、上辺が下がる傾斜よりも、下辺が上がる傾斜のほうが急であることに注目しています。
上値は少しずつ下がっているものの、下値はそれ以上の勢いで切り上がっています。下がったところで買いたい投資家が多く、買い方の力がやや強いと読み取れるため、その後に上放れする可能性が少し高いと考えられます。
ただし、ここで先回りして「必ず上がる」と決めつけてはいけません。窪田さんは『株トレ』の中で、三角もちあいでは、上放れするか下放れするかを見極めてから、その方向についていくことが大切だと解説しています。
急騰後に株価が下がったからといって、すべての株を同じように売る必要はありません。
急騰前の水準まで一気に戻ったなら、買い材料が否定された危険なサイン。高値圏で三角もちあいを形成しているなら、上昇が再開する可能性を残した調整局面です。



