完璧を求めて妥協ができない。中途半端なものを出して「できない奴だ」と思われたくない。「先のばし」や「完璧主義」を脱するための方法を、『おい、とりあえず終わらせろ』を書いたエンジニアのnwiizo(ぬうぃぞう)氏が伝えます。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

おい、とりあえず終わらせろPhoto: Adobe Stock

早く聞く人が一番偉い

 以前、私のチームでこんなことがありました。

 私が自分で「もう少し整えてから出そう」と抱えていたPR(プルリクエスト)が1本あった。

 でも、その1本の上に、後輩のブランチ(メインの作業履歴から枝分かれさせた独立した作業)が積み上がっていた。

 彼は私のコードを前提に実装を進めていて、私がマージ(データ、コード、プログラムを統合)するまで、自分の変更を確定できない。

 私が抱えていた2日の間、彼のブランチは本流からどんどん離れていって、いざマージしようとしたらコンフリクト(システムが統合できないというエラー)の山になった。

 私が「磨いていた」2日間、下流で待っている人の時間も止めていたのだ。

「この方向で合ってますか?」を最初の30分で聞く

 そのためには、相手と合意して、終わりを決めなければならない。

 でも、なぜか聞けないんですよね。どうしてか。

 私の場合、正体ははっきりしていました。「そんなこともわからないの?」と思われる恐怖。

 技術力で評価される世界にいると、「わからない」の一言がキャリアの否定に聞こえるのです。「そんな基本も知らないのか」「それくらい自分で調べろよ」。

その恐怖を味わいたくなくて、ひとりで抱えて、ズレたまま進んで、結局やり直しになる。聞かなかったことで失った時間は、聞く恥ずかしさとは比にならなかった。

 聞く恐怖は一瞬、聞かない代償は永遠だ

 ちなみに、完璧主義の傾向が強く出ると、奇妙なねじれが生じます。それは、相談すべきことをひとりで抱え込み、自分で決められることを人に聞く、というもの。私も長いことそうでした。

 言うまでもなく、方向性のような大きな判断は、粗い段階でも相談した方がいい。

 それなのに、「完璧な案ができてから」と思って抱え込んでしまうんですね。一方で、自分の裁量で済む小さな判断を「これで合ってますか?」と確認したがる。

 どちらも根っこは同じで、「間違った自分を見られたくない」ということです。

 影響度が大きく不確実性が高いことは、相談する。影響度が小さく自分の裁量で決められることは、即決する。相談すべきことは粗い段階でも相談する。自分で決められることは秒で決める。それを徹底しよう。

 現に、私のチームで一番信頼されていたエンジニアは、技術力が飛び抜けて高い人ではなく、「この方向で合ってますか?」を最初の30分で聞ける人でした。

 聞かずに3日走って手戻りする人より、聞いて30分で方向を揃える人の方が、チームの時間を奪わない