フェルディナント・ヤマグチの走りながら考える

日産の最新EV「リーフ」で行く、片道1320kmの東京-宮崎検証ドライブ。日本列島を台風が直撃、悪天候に悩まされ思うようにいかなかった行きの行程の詳細や、「心理的航続距離」の重要性については、前回詳しくお伝えした通りです(参考記事)。今回掲載するのは、帰りの1320kmを走ってわかったこと。行きの反省と実際に走って得た知見を生かし、「腹をくくってギリギリまで充電しない」と決めて宮崎を出発したフェルさん。リーフ搭載のナビは「宮崎→東京、充電は2回で済む」というけれど、実際にはChatGPTと相談しながら5回充電することになったのだそう。なぜそんなことになったのか?そして、EVが日本社会に普及するために解決が必須で、実際に超・長距離を走って気付いた「日本のEVの本当の課題」とは?(コラムニスト フェルディナント・ヤマグチ)

電気自動車の「心理的航続距離」、読者の反響

 みなさまごきげんよう。
 フェルディナント・ヤマグチでございます。
 今週も明るく楽しくヨタ話から……といきたいところですが、前週から、ヨタ話は本編後の掲載となりました。今回のヨタは、ポルシェ・Carrera Tのカブリオレが納車された話をお送りします。皆さま、本編だけでなくヨタも読んでくださいね(はぁと)。

日産自動車 新型リーフ(広報写真)日産自動車 新型リーフ(広報写真)

 前回、EVには「心理的航続距離」がある、と書いた。

 カタログ上の航続距離ではない。実際に走れる距離でもない。ドライバーが不安なく使える、文字通りの「心理的」な距離である。

 読者諸兄からの感想を見ると、この言葉に反応された人が少なくなかった。EVに乗ったことがある方なら、少なからず思い当たる感覚なのではあるまいか。

 メーター上の残量はそこそこに残っている。ナビも「次の充電器まで行ける」とハッキリ言っている。にもかかわらず、運転している当人は不安になってしまう。

 ドライバーが不安になる原因はどこにあるのか。バッテリー容量か。充電速度か。はたまた電費か。もちろんそれらも重要だ。

 しかし今回の東京から宮崎往復という超長距離移動で痛感したのは、もっと地味で、もっと現実的な問題だった。

 充電器があっても、必ず「使える」とは限らないのである。

台風の山陽道を抜けて、宮崎へ

 新型リーフは実によく走ってくれた。

 横浜にある日産グローバル本社を出発し、台風直撃の山陽道を走り、山陽自動車道の笠岡ICから先が閉鎖で高速を降ろされ、豪雨の一般道を走らされながらも、壇之浦PAのハイウェイホテルまで無事にたどり着いた。翌朝は東九州道を南下し、宮崎のフェル宅には昼前に到着した。

 静かで、疲れにくく、電費管理も正確で、(条件さえ揃えば)プロパイロット2.0も頼りになる。クルマそのものは極めて優秀だ。しかし、それでも言いようのない不安感を払拭できない。なぜか。生来のビビり体質もあるのだが、「充電器があるのに使えない」というケースが少なくないからだ。