「ねえ晴子さん、60代前半でもらえる『特別支給の老齢厚生年金』の手続きはもう済んだ?パート時代の厚生年金ってありがたいわね。孫との旅行の足しになって本当に助かっちゃった!」
友人の無邪気な言葉に、晴子さんは耳を疑いました。
「えっ……? 年金って、65歳前にもらうと将来の分が減るんじゃないの?」
友人は晴子さんに、「それは普通の年金を無理にもらう『繰り上げ受給』の話よ! 私たちがもらえるのは別の制度。ちゃんと緑色の封筒で『年金請求書』が届いたでしょう?」と告げました。
日本年金機構から届いた
「緑色の封筒」の正体とは
晴子さんが捨ててしまった「緑色の封筒」の正体は、日本年金機構から送られてくる「年金請求書」でした。本来、厚生年金は65歳から受給するのが基本です。しかし一定の要件をクリアしている場合、60歳から65歳までの間に「特別支給の老齢厚生年金」を受け取ることができます。
晴子さんはパート時代に厚生年金に15年ほど加入していたため、この制度の対象者でした。友人が「孫との旅行の足しになって」と語っていたのは、この特別支給の老齢厚生年金を受給していたからです。
しかし晴子さんは、年金機構からの通知を開封することなく捨ててしまい、その後も何の手続きもしていません。
まさかの申請漏れ
どうすればいい?
「え、私も対象だったの…?!」慌てて申請に向かった晴子さん。このように「特別支給の老齢厚生年金」の申請漏れが起きた場合には、どのように対応すればよいでしょうか。
そこで、社会保険労務士の資格もある古田雄哉弁護士に申請漏れ後の対処法について聞きました。
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――晴子さんのように申請漏れが発覚したらどのように対処するとよいでしょうか。
古田弁護士:特別支給の老齢厚生年金は、ご自身で請求しなければ受け取ることができません。日本年金機構側から自動的に振り込まれることはないので注意が必要です。請求を忘れていても後から申請できますが、年金は法律により「時効」が5年と定められています。
手続きが遅れると、5年を超過した分はもらえなくなってしまうため注意しましょう。今回の晴子さんのケースでは、2年分をさかのぼって申請することが可能です。







