創業企業の信用リスクを「創業者の年齢と業界経験」で見抜く!経験則とデータ分析で高める融資判断の精度写真はイメージです Photo:PIXTA
*本記事はきんざいOnlineからの転載です。

創業者の年齢に応じたデフォルト率の特徴

 今回は、創業者の年齢と業界経験年数がデフォルトにどのような影響を与えるのかを明らかにしたい。

 当社リスク管理部のメンバーが、2011~18年度に融資した創業企業約11万社に上るデータを用いて分析を行った(注)。本稿で創業企業とは、事業を開始する具体的な計画を有し、開業前の段階で資金調達を求めて借入れ申し込みに来られた小規模事業者をいう。事業内容は、飲食店や理美容室、診療所、税理士事務所、工務店、学習塾など、地域社会を豊かにする生活密着型のビジネスが中心である。

 図表は、創業時の年齢別で見た「デフォルト率と融資企業数の構成比」だ。デフォルトは融資後2年以内の倒産または3カ月以上の延滞で、デフォルト率は全体を「1」として指数化したデフォルト水準を用いる。デフォルト水準は35歳あたりまで低下(事業継続力は上昇)し、その後緩やかに上昇し、55歳以降は横ばいかやや低下している。

 年代別に特徴を見ていく。20代での創業企業のデフォルト率は、全体の値を大きく上回っている。同じ業界での経験年数や自己資金が十分でないことが多く、将来の売上変動や費用増加といったリスクを十分に想定できず、事業計画の完成度も低くなりやすい。取引先との信頼関係も弱いため、回収・支払いサイトが不利になりやすく、開業当初は支出が先行し、資金繰り面でも課題を抱えやすい。若い創業者を支えるには、創業前の丁寧な事業計画のブラッシュアップ、創業後の資金繰り管理の継続的なフォローが求められる。