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*本記事はきんざいOnlineからの転載です。
創業企業の信用リスク、定性面を中心に評価
本連載では、大規模な融資データに基づく信用スコアリングモデルの開発から見えてきた小規模事業者支援における着眼点を紹介する。第2回では、「業歴が示す事業継続力」を紹介した。今回はその前段階にある「創業企業」に焦点を当てる。
本稿で創業企業とは、事業を開始する具体的な計画を有し、開業前の段階で資金調達を求めて借入申請をする小規模事業者を指す。事業内容は、地域の人々に親しまれるカフェや小料理店、居酒屋などの飲食店、暮らしに彩りを添える理美容室やエステ、地域の人々の健康や生活を支える診療所や介護サービス、税理士事務所、工務店、さらには学習塾やヨガ教室などである。地域社会を豊かにする生活密着型のビジネスが中心である。
第2回で業歴別デフォルト率を紹介したが、業歴5年未満の事業者は、全体平均を2標準偏差(σ)以上も上回っている。創業後の初期段階は事業基盤が十分に整っておらず、計画の不確実性も大きいため、デフォルトリスクが高くなりやすいことを確認した。
創業企業は業歴がゼロであり、取引先とのネットワークなど地域での信頼関係の構築もこれからである。そのため、計画の不確実性は既存企業以上に大きい。
さらに信用リスクの評価を難しくしているのは、創業後の事業継続力を判断する材料が限られている点だ。業歴がゼロであるため、金融機関が企業評価で重視する財務諸表や融資金の返済履歴といった取引実績などの定量情報が存在しない。そのため評価の中心は、創業者の経歴や保有資格、自己資金の蓄え、創業場所や従業員の確保などの創業に向けた準備状況、創業後のビジネスモデルの実現可能性といった数字では測れない定性面となる。







