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*本記事はきんざいOnlineからの転載です。
大規模データに基づくモデル開発
日本政策金融公庫は政策金融機関として、民間の金融機関を補完し、国民一般と農林水産業者、中小企業者に対する融資を行っている。
このうち国民一般向けの融資を担う国民生活事業では、小規模事業者や創業企業の事業資金のほか、子どもの入学資金などを必要とする一般個人への教育資金を融資している。2025年度の年間融資件数は、事業資金融資20万1,000件(1件当たり696万円)、教育資金融資6万1,000件(1件当たり144万円)で、合計26万3,000件に上る。事業資金融資先の約9割が従業者9人以下の小規模事業者であり、うち個人企業が約4割を占める。これから事業を始める創業前の企業の融資先も1万9,000社に達する。
国民生活事業本部リスク管理部は、これらの大規模な融資データに基づき、金融工学の手法を用いて、法人企業向け、個人企業向け、創業企業向け、教育資金融資向けの4種類の信用スコアリングモデル(デフォルト確率モデル)を独自に開発している。これまで18年間、モデルの研究を重ねてきた。モデルの活用が、信用リスクの効率的な評価と迅速な資金供給を下支えしている。
本連載では全6回にわたり、大規模の融資データから見えてきた小規模事業者支援の着眼点を紹介する(注)。
予測精度向上に向けた態勢の整備
信用スコアリングモデルは、主に財務指標と延滞や倒産といったデフォルトとの相関関係を利用して個別企業の信用リスクを評価する統計モデルである。しかし、小規模事業者には、大企業や比較的規模の大きな中小企業に比べて、財務指標とデフォルトとの相関関係が弱いという課題がある。







