その結果、スマホにどれだけ依存しているかを決定づけるのは、アプリの起動回数や利用時間といった「客観的ログ」ではない。むしろ、「自分は長時間使っている」という本人の主観的な認識(自己申告)の方が、依存傾向と強く結びついていることが明らかとなりました。

むしろリア充な人ほど
依存傾向が強かった

 たとえば、LINEやSNS、ゲームについても、実際に何回アプリを開いたかというログより、「自分はこれくらい使っている」というアンケートでの回答結果の方が、KSASスコア(編集部注/筆者が尺度化したスマホ依存度)との関連が強いのです。

 つまり、スマホ依存の問題は、物理的な利用時間の長さというより、「スマホに時間を奪われている」という個人の感覚の中にこそ潜んでいる可能性が窺えます。

 さらに興味深いのは、スマホ依存が単なる「使いすぎ」の問題ではなく、その人の社会心理と深く関わっている点です。LDASU2023ログデータと立教23調査(編集部注/立教21調査と同様の調査を、2023年1月31日~2月1日に再度行った)を組み合わせ、筆者が分析を行いました。

 分析の結果、各種アプリの利用ログ、利用に関する主観意識、性年代だけではなく、以下の3つの社会心理的要因を加えると、スマホ依存傾向がはるかに明確に説明できることが分かりました。

(1)オンライン志向度:現実世界よりもネット上に居場所を求める気持ち。
(2)抑うつ傾向:日頃の悩みや不安、気分の沈み。
(3)自制志向:もっと自制心を持ちたいという意志。

 とくに、「ネットの方が自分らしくいられる」と感じる傾向や、日々の不安、そして「自分をコントロールしたいのにできない」という葛藤こそが、スマホ依存の核心にあることがデータに表れています。

 また、一般的なイメージを覆す結果も明らかになりました。

 通常、生活に不満があるからスマホに逃避すると思われがちですが、分析は「生活満足度が高い人ほど、依存傾向も強い」という逆の結果を示しました。さらに、YouTubeの視聴については、「長時間使っている」と自覚している人ほど、スマホ依存のスコアが低いという傾向も見られました。このように、スマホ依存は「スマホ、アプリを長時間使うと陥る」といった単純なものではないのです。