ソフトバンク、au、ドコモのロゴPhoto by Reiji Murai

ソフトバンクが、携帯電話料金の本格値上げに踏み出した。これにより、NTTドコモ、KDDIに続いて通信大手3社の値上げが出そろい、料金競争は終了に向かう。KDDIとソフトバンクは値上げを通じて既存ユーザーからの収益を重視する方針だ。その一方で、最初に値上げを実施したドコモは、販促費を積み上げて新規契約の獲得にまい進。大手3社で戦略が二極化する中、ダイヤモンド編集部が入手した内部資料で、ドコモの苦境が鮮明になった。その内情に迫る。(ダイヤモンド編集部 村井令二)

ソフトバンクも既存ユーザーを値上げ
KDDIの手法に完全追随した理由とは?

 ソフトバンクは4月10日、携帯電話の本ブランド「ソフトバンク」とサブブランド「ワイモバイル」の料金を6月以降に順次、値上げすると発表した。

 7月1日から主力プランの「ペイトク無制限」を現行の月額9625円(税込み)から月額1万0175円に値上げする。さらに格安プランド「ワイモバイル」の料金は6~7月にかけて220~330円引き上げる。

 これにより「値上げしない」(三木谷浩史会長)と宣言した楽天モバイルを除き、通信大手3社の料金値上げが出そろった。

 値上げで先行したNTTドコモは2025年6月から動画配信サービスを見放題にする新料金プラン「ドコモMAX」を導入して、従来の大容量プランから1000円超の実質値上げを実施している。

 同じタイミングでKDDIは、衛星通信とスマートフォンの直接通信サービスの「au Starlink Direct(スターリンクダイレクト)」、高速通信「5G」の優先割り当て、海外でのデータ使い放題――という三つのサービスを入れた新料金プランを導入して、既存ユーザーの値上げに踏み切った。

 実はソフトバンクも、主力プランの値上げの理由として、「ソフトバンク・スターリンクダイレクト」、5Gの優先割り当て、海外データ使い放題の三つのサービスを導入して既存ユーザーの料金を引き上げており、KDDIの値上げ手法を「完全コピー」した格好だ。

 ここで「最後発」のソフトバンクがKDDIの値上げの手法をそっくりまねたのは大きな理由がある。

 次ページでは、ソフトバンクがKDDIに完全追随する判断を下した内実に迫る。同時に、それによって際立つことになったドコモの苦境の実態をダイヤモンド編集部が入手した内部資料を基に徹底解明する。