同じことを話していても、「伝わりやすい人」と「伝わりにくい人」がいます。
この違いはいったい何なのでしょうか?
本連載では、話題の書籍「『うまく言葉にできない』がなくなる言語化大全」の著者・山口拓朗氏が、知っているだけで「言語化」が見違えるほど上達するコツをご紹介していきます。

【つい、やってない?】「説明がわかりにくい人」の共通点トップ1は?Photo: Adobe Stock

「全体像→細部」の順で話す

 同じことを話していても、「伝わりやすい人」と「伝わりにくい人」がいます。
 この違いはいったい何なのでしょうか? 実はその最大の違いは話の「順番」にあります。

 うまい人は必ず「全体像→細部」の順で話します。一方で、苦手な人は、いきなり細部から話し始めます。中には全体像をまったく伝えない人もいます。

 たとえば、地図アプリを想像してみてください。
 いきなり「○○通り」と表示されても、それがどこなのかは分かりません。「東京→渋谷区→○○通り」と段階的に絞り込んでいくから、場所を特定できるのです。説明も同じです。全体が見えないまま細部を語られても、その情報が何を意味するのか、聞き手は理解しづらいのです。

 料理を例にあげましょう。
「これから作る料理はパスタです。今日は少しピリ辛なトマト味にします」と最初に伝えれば、聞いている人は全体像をつかめます。一方で、「まず水を沸かして塩を入れて……」と手順から始めると、「何を作ろうとしているのだろう?」と疑問が浮かびます。

 言語化が苦手な人の多くは、細部から説明を始めてしまいます。この順番を変えるだけで、相手の理解度が格段に高まります。

 たとえば、メールの書き方を教えるなら、「To、Cc、Bccについては~」と始めるのではなく、「今日は、社外向けビジネスメールの書き方について、基本から応用まで体系的にお伝えします」と伝えるのです。

トランプの「神経衰弱」を知らない人に説明するなら、「カードの絵柄を覚えます」から始めるのではなく、「神経衰弱は、裏返したカードを2枚めくり、同じ数字が出たらそのカードを獲得できるゲームです。最後に最も多くのカードを集めた人が勝ちです」と全体像を先に示します。そうすることで、聞き手は「今、どこの話をしているのか」を把握しながら情報を受け取れます。

 それにしても、なぜ全体像が重要なのでしょうか。人間の脳は、全体の構造が見えているほど、個別の情報を「どこに収めるか」が判断しやすくなるからです。全体像という「棚」があってこそ、細部という「本」が整理できます。棚がなければ、本は床に積み上がるだけです。

 言語化力を高めたいなら、まずは「全体像を簡潔に伝えること」を意識してみましょう。それだけで、あなたの説明は格段に伝わりやすくなります。

*本記事は、「『うまく言葉にできない』がなくなる 言語化大全」の著者・山口拓朗氏による書き下ろしです。