「とっさの質問にうまく答えられない」「『で、結局、何が言いたいの?』と言われる」「話し方やプレゼンの本を読んでも上達しない」……。そんな悩みを持つ方は、言語化の3要素である「語彙力」「具体化力」「伝達力」どれかが欠けていると指摘するのは、文章や話し方の専門家であり言語化のプロである山口拓朗氏。本連載では、山口氏による話題の最新刊「『うまく言葉にできない』がなくなる言語化大全」の中から、知っているだけで「言語化」が見違えるほど上達するコツをご紹介していきます。
話すべき内容の「解像度」を上げておく
私は、本書の中で、言語化の3STEPは、
1「語彙力」を伸ばす
2「具体化力」を鍛える
3「伝達力」を磨く
だと繰り返し申し上げています。中でも大事なのが、2の「具体化力」を鍛えるです。
「言っていることがぼんやりしていて(ふわっとしていて)、よくわからない」「企画の細部が詰まっておらず、イメージしにくい」。こんな状態を「解像度が低い」と呼ぶことがあります。
解像度というのは、もともとは、ディスプレイや画像において、画素やドットの「密度」を示す指標のことです。
「解像度が低い=密度が低い」と、画像はガタつき粗くなり、不鮮明になります。
逆に「解像度が高い=密度が高い」と、細部までくっきりと見える、鮮明な画像になるわけです。
言語化のSTEP2である「具体化」も、それと似ています。具体化とは、言葉の解像度を高めるプロセスにほかなりません。
仮に、ざっくりした(=低解像度な)情報が1つしかない場合、相手にはぼんやりしたことしか伝わりません。抽象的すぎるため、頭に浮かべるイメージがお互いに異なることもあります。
反対に、具体的な情報が3つでもあれば、相手は“それ”をイメージしやすくなります。すると、自分が伝えたいことと、相手が受け取ることのズレが減り、コミュニケーションにおける誤解が生まれにくくなります。言葉の解像度を上げていく具体化の作業は、言語化の最重要トピックと言っても過言ではないのです。
*本記事は、山口拓朗著「『うまく言葉にできない』がなくなる言語化大全」から、抜粋・編集してまとめたものです。