経済財政諮問会議で発言する高市早苗首相(7月21日) Photo:SANKEI
骨太方針原案で長期金利急騰
だが「片山後押し発言」を機に急反転
高市政権が閣議決定した「経済財政運営と改革の基本方針」(「骨太の方針2026」)の6月末にまとめられた原案に対して、金融市場では財政規律が後退するのではないかとの警戒が強まった。
原案は「責任ある積極財政」を掲げ、戦略分野への政府投資を大胆に進める方針を示した一方で、従来の骨太方針で繰り返し強調されてきた財政健全化への姿勢が弱まったとの受け止めが市場に広がった。
こうした警戒を背景に、7月上旬には超長期国債を中心として金利が上昇、7月9日には、新発10年国債利回りは2.900%、新発20年国債の利回りは3.89%まで上昇し、1996年以来の高い水準をつけた。
ところが14日に債券相場は急反転した。国債が幅広く買われ、価格は上昇し、利回りは低下したのだ。
同日に行われた20年国債の入札後、新発20年国債の利回りは一時3.565%まで低下、前日からの下落幅は0.18ポイント程度に達した。新発10年国債の利回りも低下し、長期国債先物にも買いが入った。
なぜこのような現象が起きたのかについて、さまざまな見方があるが、市場が特に注目したのが、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の国内債券投資をめぐる観測だ。
10日に片山さつき財務相が会見で、長期金利高騰に触れ、「年金積立金管理運用独立行政法人などの年金基金が日本の金融資産にさらなる投資をする方向を追求したい」と、後押しする発言をしたことがある。
GPIFは公的年金の積立金を運用する世界最大級の機関投資家であり、2026年3月末時点の運用資産額は約293.6兆円。その巨大さから、市場ではしばしば「クジラ」と呼ばれるほど存在感が大きい。
したがって、仮にGPIFが資産配分を変更して国内債券への投資を増やせば、国債市場に大きな影響を与える可能性がある。実際に購入が行われなくても、その可能性が示唆されるだけで、投資家が将来の需要増加を先取りして国債を買うことはあり得る。
ただし、GPIFまたはその運用受託機関が、同日の入札や市場で実際に国債を購入したことは確認されていない。片山発言を受け、GPIFの運用方針が将来変化する可能性を投資家が意識し、国内債券に対する需要増加を先取りして国債を買ったとの見方が有力だ。
だが仮に「GPIFの買い支え」が行われるとしても、長期金利上昇の基調を変えられるかどうかは疑問だ。







