それが見られるのは、第五高等中学校の本館として使われていた建物「熊本大学五高記念館」です。熊本交通センターからバスで20分のところにあります。ちなみに、ラフカディオ・ハーンが勤めていた当時の第五高等中学校の校長は「柔道の父」と呼ばれる嘉納治五郎です。
試験問題はこの五高記念館に展示されており、同館を訪れた人は当時のテストの問題用紙を実際に見ることができます。ただし、現在ではあまり学校で教えられなくなった筆記体で書かれているのが難点です。
試験問題は英文をラテン語文に訳す問題が5問、ラテン語文を英文に訳す問題が5問の合計10問です。
『日本はラテン語でできている』(SBクリエイティブ、ラテン語さん)
英文をラテン語文に訳す問題としては「一番大きな部屋には、少女たちが花で飾ったとても美しいテーブルがあった。そして書記がそこに王様と座っていた」というものがありました(原文は英語)。訳すとしたらIn maximo cubiculo erat pulcherrima mensa quam puellae floribus ornaverant; ibique scriba cum rege sedebat.(イン マクスィモー クビクロー エラト プルケッリマ メーンサ クァム プエッラエ フローリブス オールナーウェラント イビクェ スクリーバ クム レーゲ セデーバト)でしょうか。
また、ラテン語から英語にする問題の例は、Hujus pueri diceris esse pater.「あなたはこの少年の父であると言われている(あるいは「言われるだろう」)」です。dicerisはdicere「言う」が活用した形で、dicereは英語dictionary「辞書」の語源になっています。
どれもラテン語の基礎力を問う問題で、帝国大学への予備段階であった旧制中学校としては妥当なレベルだと思いますが、ラテン語教育が以前より盛んでなくなった現在の大学生にとってはかなり難しいのではないでしょうか。気になる方は五高記念館を訪れて、残りの8問も確認してみてはいかがでしょうか。







