ファーストリテイリングの柳井正会長兼社長 Photo:JIJI
部下が結果を出せずに肩を落としているとき、あなたなら何と声をかけるだろうか。「次は頑張ろう」「気にするな」――そんな励ましが正解とは限らない。ユニクロを世界企業へ育てた柳井正氏は、失敗した部下への接し方について、多くの上司の常識を覆す哲学を語っている。その考え方は、最新のスポーツ科学の研究とも驚くほど一致している。(イトモス研究所 小倉健一)
「次、頑張ろう」「気にするな」
失敗した部下にどう声掛けすればいい?
部下が結果を出せずに肩を落としているとき、多くの上司は励ましの言葉をかける。「次、頑張ろう」「気にするな」。優しい言葉には違いない。だが、その部下は本当に成長しているだろうか。
むしろ、過剰な慰めが優しさの仮面をかぶった放置になっている場合が、現場には少なくない。
この問いに、ファーストリテイリング会長兼社長の柳井正氏は明確な答えを持っているようだ。
2024年1月4日、NHK BSで放送された「栗山英樹 ザ・トップインタビュー」で、前WBC日本代表監督の栗山英樹氏と対談した柳井氏は、部下への向き合い方について容赦のない哲学を語った。世界一を目指すロードマップという壮大なテーマから始まったこの対談は、やがて「人をどう育てるか」という一点に収斂(しゅうれん)していく。
柳井氏はまず、戦略よりも先に「覚悟」が必要だと栗山氏に語った。世界一になりたいという気持ちがなければ、戦略は絵に描いた餅にすぎない。
この覚悟の話は、単なる精神論として片づけられがちだが、柳井氏の場合はここから具体的な行動原理へと直結していく点が独特である。特に印象的なのが、伸び悩む部下、失敗した部下への接し方についての発言だ。
柳井氏はこう語っている。







