2024年12月から25年12月にかけて
増加した外国人人口

外国人受け入れを拡大した自民党、長期的に受け入れる道筋を示し、政治的分断を避ける努力を

 広く認識されている通り、日本の人口は急速に減少している。直近の2024年12月から25年12月にかけての1年間では、総人口は57万9000人減少した。この数字の裏側では、日本人人口が91万4000人減少する一方、外国人人口は33万6000人増加していた。外国人人口の増加によって、人口減少幅が約3分の2に抑えられたということだ。

 外国人人口の増加を反映し、25年12月の外国人が総人口に占める割合は3.19%となっている。その多くは、働くために来日した現役世代だ。外国人の割合が最も高い25~29歳では、実に10.76%を外国人が占める。

 外国人の多くが就労を目的に日本へ移住していることは、別の統計からも明らかである。雇用主からの報告を基にした厚生労働省「外国人雇用状況」によれば、25年10月末時点で外国人労働者数は約257万人だった。同月の労働力調査における役員を除く雇用者数5874万人と比較すると、雇用者の約4.4%はすでに外国人である。

 中でも増加が著しいのは、19年4月から現場労働者の人手不足を補うために創設された特定技能制度の下で働く人々だ。この増加のトレンドは今後も続き、外国人は日本社会を支える存在として、ますます重要性を増していくだろう。

 外国人人口の増加で先行した欧州諸国では、反移民を掲げる政党への支持が急速に広がり、政治的な分断を生んでいる。日本でも、参政党の躍進などにその兆候が表れている。

 こうした中、自民党は高市早苗氏が総裁に就いたことで、保守色の強い層からも票を取れるようになったという見方がある。しかしながら、将来の人口動態を見据えて特定技能制度の導入を決め、実質的に外国人労働者の増加にかじを切ったのも自民党である。

 だからこそ自民党には、政権を担う政党として、増加する外国人を日本社会でどのように受け入れていくのか、明確なビジョンを示す責任がある。その実現に必要な方策を実行し、政治的な分断を避ける努力も欠かせない。

 高市政権の財政運営や国会運営には、選挙を過度に意識した近視眼的な姿が目立ち、自民党が政権政党としての責任を放棄しているのではないかとの懸念が拭えない。少なくとも外国人政策においては、日本社会の将来の姿について長期的なビジョンを示し、予想される政治的分断を避けることに全力を尽くすべきである。

(東京大学公共政策大学院 教授 川口大司)