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「人手不足」という言葉では、もはや実態を捉えきれない。現場で起きているのは、単なる労働力の不足ではなく、“日本人の担い手”そのものの減少だ。採用は埋まらず、インフラを支える職種ほど人が集まらない。この構造的な変化を前に、日本社会はどこまで前提を切り替えられているのか。※本稿は、関西国際大学客員教授の毛受敏浩『移民1000万人時代 2040年の日本の姿』(朝日新聞出版)の一部を抜粋・編集したものです。
深刻化する労働者不足で
企業は採用予定数を満たせない
すでに現時点で労働者不足は深刻化しています。リクルートの調査では、2025年の採用予定数を満たすことができなかった企業が6割にも達しており、新入社員の確保においても人材不足の深刻化が窺えます。
東京商工リサーチの調査では、2024年の人手不足関連倒産は289件と2013年以降で過去最高となりました。倒産の原因として求人難が114件で最も多く、人件費高騰が104件となっています。業種別ではサービス業が最も多く、建設や運輸などの労働集約型の産業で増加が目立っています。
一方、日本銀行の25年10月の「全国企業短期経済観測調査」(短観)を見ると、人手が過剰と答えた企業から不足と答えた割合を引いた「雇用人員判断指数」は全産業がマイナス36、非製造業はマイナス39と、ここでも大幅な人手不足が明らかとなっています。
こうした傾向は短期的なものではなく、生産年齢人口の減少の終わりが見えない以上、将来にわたり深刻な状況をもたらすと考えられます。
もちろん政府も、人口減少に対して正面から向き合おうとしています。2023年から「異次元の少子化対策」を打ち出しています。







