「貯金と保険が大好きな日本人」はもう過去の話?個人マネー2500兆円突破で起きていた“決定的な変化”【投資信託の最前線】

日本銀行が発表した2026年4~6月期の「資金循環統計」において、家計金融資産の残高が初めて2500兆円を突破し、過去最高を更新しました。なかでも象徴的なのが、株式・投資信託の残高が初めて保険・年金を上回った点です。かつて「現金・預金が過半」と言われ続けた日本の個人マネーは、インフレ定着と新NISAの定着を経て、大きな構造変化を遂げつつあります。今回は最新の統計データから、日本人の資産運用がどのように変化しているのか、その最前線を読み解きます。

家計金融資産が過去最高の2500兆円突破!
 「脱・現金・預金」の潮流が顕著に

 日本銀行が、2026年9月17日に2026年4~6月期の「資金循環統計」を公表しました。これによると、6月末時点の家計金融資産の残高が2519兆円と過去最高を更新し、初めて2500兆円を突破しました。2026年4~6月は中東情勢の緊張が緩和したことなどから株式相場が大きく値を戻し、家計金融資産残高も3月末の2406兆円から前期比4.7%と大幅に増加しています。 各種報道にもあるように、家計の株式・投資信託の残高が初めて保険・年金の残高を上回るなど、インフレ環境が定着しつつある中で、着実に家計のリスク資産を選好する動きが進んだものと言えそうです。

 以下のグラフは、主要な金融商品の内訳を示したものです。 

 現金・預金の残高は足元で増えておらず、全体の家計金融資産が大きく増加する中で、直近の比率は44.9%(外貨預金を除くと44.6%)と過去最低の比率まで低下しています。長く現金・預金の比率が過半であると言われ続けてきた日本の個人マネーの動きが大きく変わってきていることがわかるでしょう。

株式・投信の合計が679兆円に激増
個人マネーの主役はリスク資産へ

 一方、残高の増加が目立つのが、投資信託受益証券(以下、投資信託)や株式といったリスク資産です。投資信託は、2022年末時点では87兆円と100兆円に届いていませんでしたが、2026年6月末で193兆円と200兆円に迫る勢いです。 

 また、株式等の過半を占める上場株式も2022年末の124兆円から、2026年6月末には251兆円と大きく増加しています。非上場株式(出資金)なども含めた株式・投資信託の残高は679兆円となり、個人マネー全体の27.0%に達しました。 これは、保険・年金の586兆円を一気に上回り、個人マネーの中心的な存在になってきたことを印象付けています。

 なお、それ以外では債務証券(国債、財投債)の存在感が高まっており、6月末の残高は22兆円と2013年以来となる20兆円台に達しています。国債利回りが大きく上昇する中で、個人向け国債などに魅力を感じる個人投資家が着実に増加しているようです。

投信比率は7.7%と過去最高を更新!
米国などの“投信先進国”に近づく資産運用の新時代が到来か

 さらに、投資信託に光を当ててみましょう。

 2026年6月末時点における家計金融資産の中での投資信託の比率は7.7%と、2025年12月末の6.9%を超えて過去最高を更新しています。新NISAが始まった2024年に年間で10.7兆円、2025年には10.6兆円と高水準の資金流入が続き、足元ではその流入ペースがさらに加速しています。

 インフレ環境が定着しつつある中で、資産形成・資産運用における投資信託の役割が拡大しているものと見られます。過去の投信ブームでも、個人マネーにおける投信比率はなかなか5%を突破できずにいました。しかし、足元での投信比率の上昇は構造的な変化を反映したもので、米国などの“投信先進国”の家計金融資産に近づきつつあると言えそうです。

藤原延介さん藤原延介(ふじわら・のぶゆき)●1998年三菱信託銀行(現三菱UFJ信託銀行)入社後、2001年ロイター・ジャパン(リッパー・ジャパン)、2007年ドイチェ・アセット・マネジメント、2019年アムンディ・ジャパンを経て、2021年にBNPパリバ・アセットマネジメントに入社。マーケティング部 部長。ドイチェAMでは資産運用研究所長を務めるなど、約25年に渡り資産運用や投資信託に関するリサーチや投資啓蒙に従事。慶応大学経済学部卒。
◆投資信託の最前線
20年超にわたって投資信託動向を分析してきた藤原延介氏が、投資信託の最新動向やニュースを取り上げて、わかりやすく解説! 2024年から大幅拡大したNISAでは、投資信託での運用が不可欠に。でも「どうやって選べばいいの?」「組み合わせ方法は?」などわからない人も多いのでは? このコラムで投資信託の売れ筋やトレンドの変化をチェックすることで、投資信託の選び方や資産運用法などが見えてきます。
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<ダイヤモンドZAi NISA投信グランプリ2026>
[2026年]受賞投資信託28本一覧

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本記事は2026年9月26日時点で知りうる情報を元に作成しております。本記事、本記事に登場する情報元を利用してのいかなる損害等について出版社、取材・制作協力者は一切の責任を負いません。投資は自己責任において行ってください。