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「自分より仕事ができないように見える人が、なぜ出世するのか」。約20年にわたり、500社以上の企業で管理職育成に携わってきた、マネジメントの専門家・前川孝雄氏(FeelWorks代表取締役・青山学院大学兼任講師)が、出世と「能力」の意外な関係を解説します。(構成/ダイヤモンド・ライフ編集部)
「自分のほうが仕事ができる」
と考える人が見逃していること
職場では、ときどき不思議に見える人事があります。
「現場では自分のほうが詳しいのに、なぜあの人が上司なのか」
「自分より成果を出していないように見える人が、なぜ先に出世するのか」
特に、専門性がはっきり見える職種ほど、こうした不満は生まれやすいと思います。
たとえばITエンジニアの組織では、最新の技術に詳しく、コードも書けて、難しい課題を自分で解決できる人が「優秀な人」と見られやすい。そうした現場から見ると、最新技術にはそれほど詳しくないプロジェクトマネージャーが上司になっていると「なぜあの人が管理職なのか」と疑問に感じることがあります。
営業でも同じです。
誰よりも売上を上げる人、難しい顧客を落とせる人、大きな案件をまとめられる人は、周囲から「能力が高い」と評価されます。
もちろん、それらは重要な能力です。
しかし、ここで考えなければいけないのは、「能力とは何を指しているのか」ということです。
私は管理職育成の現場で、優秀なプレイヤーが管理職になった途端につまずく姿を数多く見てきました。
プレイヤー時代には高い成果を出していた。社内でも評価され、「この人なら管理職としても活躍するだろう」と期待される。ところが、部下を持った途端にチームがうまく回らなくなる。
なぜか。
本人は、自分と同じように部下も仕事ができると思ってしまいがちだからです。
「なぜこんなことができないのか」
「自分ならもっと早くできた」
そう感じ始めると、自分で仕事を抱えたり、部下に自分と同じやり方を求めたりします。
現在は、働き方も価値観もキャリア観も多様です。自分とは違う人を動かすことができなければ、チームとして成果を出すことはできません。
つまり、現場で見えやすい「仕事の能力」と、管理職になってから必要になる能力は、必ずしも同じではないのです。
では、「能力が低いように見えるのに出世する人」は、どんな力を持っているのでしょうか。







