「マッサージに行っても、すぐに首や肩が重くなる」――その原因は、体ではなく脳にあるのかもしれない。睡眠、集中力、ストレス、老化……など、幅広い有効性が認められているマインドフルネスを日本で最も広めたベストセラー『世界のエリートがやっている 最高の休息法』。その内容に最新研究と実践法を加えた『世界のエリートがやっている 最高の休息法[完全版]』が刊行された。本書には、体の疲れや痛みを脳から癒やす方法も書かれている。今回は、著者でアメリカ在住の精神科医、久賀谷亮氏のインタビューを掲載する(構成/小川晶子、ダイヤモンド社書籍編集局)。
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慢性的なストレスは「脳」と関係している
――「休日にしっかり寝ているのに全身がだるい」「マッサージに行ってもすぐに首や肩が重くなる」……。現代人の多くがこうした慢性的な身体の不調を抱えていますが、本書『世界のエリートがやっている 最高の休息法[完全版]』では、こうした疲れも脳からきていると指摘されています。
久賀谷亮氏(以下、久賀谷):はい。私たちは「身体が疲れたから休まなければ」と考えがちですが、それだけでは回復しないのが「脳の疲れ」です。
身体を休めているはずなのに取れない疲れは、脳から来ています。
そもそも「疲労感」とは脳の現象にほかなりません。脳の状態は、自律神経やホルモンを介して身体に反映されます。
たとえば、ストレスが慢性化すると、自律神経のバランスが崩れ、局所的な痛みやじんわりとした身体のだるさ、さらには胃腸の炎症として現れることもあります。身体の疲れや痛みの癒やしも、鍵はやはり「脳」にあると言えるんです。
「ボディスキャン」で痛みを癒やす
――脳が疲弊しているサインが、身体の不調として現れているのですね。では、そうした身体の疲れや痛みを脳から癒やすにはどうすればいいのでしょうか。
久賀谷:本書で紹介しているのが、身体の感覚に細かく注意を向ける「ボディスキャン」というマインドフルネスの実践です。
やり方は難しくありません。仰向けに横たわるか、椅子に座り、目を閉じて身体がベッド・床・椅子に触れている感覚や重力の感覚に意識を向けます。
そしてまず、注意を「左足のつま先」へと向けます。
足が靴下に触れている感覚や、指同士が触れ合う感覚など、細かな感覚に意識を集中させます。
次に、そのつま先から身体を「スキャン」していくイメージを持ちます。息を吸うときは、空気が鼻から入り、身体の中を通って左のつま先に吹き込まれるイメージ。
息を吐くときは、左のつま先にある空気が身体を通って鼻から出ていくイメージです。
これを、右足、両腕、腹部、頭など、全身の各部位に対して順番に行っていきます。
もし、肩こりや胃の痛みなど、痛みやこわばりを感じる部分があれば、そこにも注意を向け、息を吸うときにその部分に空気を吹き込むようにイメージします。スキャンしている最中にどんなふうに感覚が変わっていくか、その変化にも意識を向けてください。
スパに行ったかのようにリフレッシュ
――痛みを忘れようとするのではなく、あえてそこに意識を向けるのですね。
久賀谷:その通りです。
痛みを前頭葉の理性で無理やり抑えつけようとするのではなく、痛みをありのままに受け入れながら対処していく。
マインドフルネスを継続している人の脳では、前頭葉の活動が減るのに対し感覚野の活動は増しており、うまく痛みに対応できる脳の回路が作られていくことがわかっています。
「ボディスキャン」を終えると、まるで全身がスパに行ってきたかのようにリフレッシュされる感覚が得られるはずです。
慢性的な疲労や痛みに悩んでいる方は、ぜひ眠る前などにベッドの上で試してみてください。



